優しくなりたい① 優しさとは

優しさとは

優しさとは何でしょうか?

心温かく、思いやりがあること。または、おだやかでおとなしいこと。
(実用日本語表現辞典より引用)

これだとよくわからないので、もう少し具体的にしてみます。

心温かく、思いやりがあること=利他的であること(他者に対して何か行動を起こすこと)

おだやかでおとなしいこと=他者の言動を受け入れられること。

相手のために何かをする、相手のことを受け入れる。
優しさというのはどうやらこのあたりのことを指しそうです。

では、優しくなれるのはどんな時か、優しくなれない時はどんな時か、次にそのあたりを考えてみたいと思います。

マズローの欲求階層説

マズローの欲求階層説というのを知っていますか?

これはアメリカの心理学者、アブラハム・マズローが提唱した理論で、人間の欲求には5つの階層があり、下の階層が満たされると次の階層の欲求を求めるようになる、というものです。

ここではその内容を詳しく論じることはしませんが、この説には昔から違和感がありました。
なぜなら、ここで述べられている5つの説は全て相互作用しているからです。

例えば、食欲を考えてみます。(生理的欲求)

人間が社会的な生物になったのは、それが生存に有利だったからです。つまり、社会的であること(所属欲求)により食べ物を得ていた。(生理的欲求)
安全欲求も基本的には同じです。

また承認欲求(他者から認められたい)も、所属欲求(コミュニティの一員でありたい)を満たすための欲求です。

自己実現欲求はより上手に生理的欲求や安全欲求を満たすために生まれたものです。そしてそのためには上手く社会に溶け込まなければいけないので、承認欲求や所属欲求が必要になってきます。

そういう観点からいくと、この欲求の階層説の順番は逆になると考えることもできます。
(参考図書:ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史 著者:ニコラス・クリスタキス 訳:鬼澤忍・塩原通緒)

優しさとは、つまるところ社会的活動です。

マズローの欲求階層説が正しいとすると、生理的欲求・安全欲求を満たせないと優しくできないことになりますが、人はそもそも生理的欲求・安全欲求を満たすために優しくなったのです。

しかし、みなさんにもお腹が空いている時に優しくできなくなった記憶があるかと思います。ここだけみるとマズローの欲求階層説が正しいように見えます。

一体、どういう時に矢印が上向きになったり下向きになったりするのでしょうか。

(続く)


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