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[ 展示会レビュー]東京都庭園美術館で行われている奇想のモード展へ→奇想なファッションって当時の時代背景、文化を強烈に反映しデザインされていることを視覚的に体感できる
4/10まで東京都庭園美術館で開催されている「奇想のモード
装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」へ行ってまいりましたのでそこで感じたことなどまとめていければと思います。
概要はこちら↓
シュルレアリスムの感性に通ずるような作品群にも注目し、現代の私たちからみた<奇想>をテーマに、16世紀の歴史的なファッションプレートからコンテンポラリーアートに至るまでを、幅広く展覧します。シュルレアリスムがモードに与えた影響をひとつの視座としながら、その自由な創造力と発想によって、モードの世界にセンセーションをもたらした美の表現に迫ろうとするものです。
シュルレアリスムとは?
シュルレアリスムを「口頭、記述、その他のあらゆる方法によって、思考の真の動きを表現しようとする純粋な心的オートマティスム。理性による監視をすべて排除し、美的・道徳的なすべての先入見から離れた、思考の書き取り」と定義した[4]。
一方、フランスのシュルレアリスムが日本において前衛芸術として発展を遂げたのは1930年代以降のことであり、以後、ブルトンが提唱した無意識の探求という本来の目的から離れ、「現実離れした奇抜で幻想的な芸術」という意味で「シュール」という日本独自の概念・表現が生まれることになった[5]。
この展示会でいうシュルレアリスムは後者の「現実離れした奇抜で幻想的な芸術」に近いのではと個人的には感じました。では早速順に沿って内容の紹介と感想をまとめていきます!
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いざ展示会場へ
この美術館は本館と別館の2種で構成されていて本館での撮影はNGで別館での撮影は許可されているといった構成でした。本館はどちらかというと歴史的作品が展示されていて別館は現代の作品を展示しているような内容でした。各章ごと展示品のテーマが設けられていて
第1章「有機物の偏愛」
第2章「歴史にみる奇想のモード」
第3章「髪(ヘアー)へと向かう、狂気の愛」
第4章「エルザ・スキャパレッリ」
第5章「鳥と帽子」
第6章「シュルレアリスムとモード」
第7章「裏と表─発想は覆す」
第8章の「和の奇想─帯留と花魁の装い」
第9章「ハイブリッドとモード─インスピレーションの奇想」
といった構成でした。それでは本館と新館に分けてまとめていきたいと思います。
本館→今の自分から見てやりすぎな奇想といいねと思う奇想が混在する奇妙さと美しさの紙一重なファッション文化
本館は1章から8章までの構成で歴史から当時のモードなファッションに関する作品が展示されていて多くの作品に刺激を受けたのと同時に今の自分ではやりすぎじゃない?と思うような当時のモードに対する狂気さを感じました。まさに奇想のモード。特にコルセット、纏足(てんそく)靴、モーニングジュエリー、ライチョウの足のピンは見た目のインパクトだけでなく当時の時代背景も大きく関係した作品として強く個人的に印象に残っています。コルセットの作品の時代背景を見てみるとウエストの細いコルセットに自分の体を合わせていくといった思想があったりと興味深い内容でした。あとは剥製をそのままピアスにしたライチョウの足のピンや纏足の文化など奇妙に感じる部分は個人的にやりすぎな奇想なファッション文化であると感じざる負えませんでした。とにかく頭の高さに美を感じていた時代では帽子に船をのせて高さを出していたり精巧に作られたコウモリ、ムカデ、蛇の帯留のリアリティの高さや美しさは個人的にいいなと思ったファッション小物としてみることができました。
別館→奇想がゆえに身近なファッションとしてではなくアート作品として鑑賞
別館は現代で活躍するクリエイター、デザイナーによる奇想なファッションデザインの展示がメインで写真撮影が許可されたエリアでした。奇想がゆえに普段見ないようなファッションデザインのものが展示されており個人的にアート作品として純粋に楽しく作品を鑑賞できました。それでは写真とともに気になった作品をまとめていきます。
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かかとのないヒールシューズを制作したので有名な舘鼻則孝の作品で高さの異なるヒールが並んでいました。
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これもまたタイトル通り恐れと狂気を感じる作品。ジョッパーズパンツは乗馬用のスラックスで膝上がゆったりとした構造なのですがこれはパンツそのものが馬の脚になっています。
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鳥の要素の強い靴のようなものから徐々にヒールになっていくようなレイアウトで展示された作品でデザインの着想からデザインに落とし込むようなその過程を視覚化したような展示で、デザインするプロセスを体感することができました。
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展示を終えて
一通り見て思ったことは奇想なファッションって当時の時代背景、文化を強烈に反映しデザインされているなんだなと。時としてシルエットを大きく見せるデザインが流行ったり、逆に小さく見えることが美としてとらえられたり、剥製をどれだけ身にまとい高級感を演出するかなど奇想なとらえ方をしたデザインだからこそ当時の背景がより明確に視覚化されていて、それを今見るからこそ、そこに込められたメッセージが比較的シンプルに理解できるのではないかなと感じました。
展示を終え外に出ると広い庭園が広がっていました。展示で使った脳を休めるにはちょうど良くリラックスして庭園を散策することができました。今回この東京都庭園美術館にはじめてきましたがお気に入りの美術館のひとつになりそうです。またタイミングを見ていきたいと思います。
ではまた!
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