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日本のオルタナティブな音楽

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国内外の多くの人にもっと知ってもらいたい日本のオルタナティブな音楽について紹介していきます。
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#名盤紹介

日本のオルタナティブな名盤 (3) 長谷川白紙「エアにに」2019年

日本のオルタナティブな名盤 (3) 長谷川白紙「エアにに」2019年

長谷川白紙はいつも期待を超えてくる。新曲が配信されると、今度はどんな曲だろうとテンション爆上がりし、再生アイコンに触れた瞬間に弾け出す色とりどり煌めいた音の結晶にぶちのめされる。この快感が本当に堪らない。

長谷川白紙の音楽の特徴の一つはその情報量の多さだ。例えるなら1970年代のプログレッシブロックバンドが15分以上かけて表現した大作を4分間にぎゅうぎゅうに詰め込んだような。それはBPMを上げた

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日本のオルタナティブな名盤 (2) WONK「Sphere」2016年

日本のオルタナティブな名盤 (2) WONK「Sphere」2016年

2012年にロバート・グラスパー「Black Radio」がリリースされ、ジャズと呼ばれるジャンルで表現される音楽が劇的に拡大し、その境界線も曖昧となった。
ジャズがR&Bやヒップホップと融合することは異端ではなくなり、ありとあらゆるジャンルをジャズと融合させる音楽実験も世界各地で盛んに繰り広げられるようになった。
それまで停滞していたかに見えていたジャズの世界が目に見えて動き出した瞬間である。

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日本のオルタナティブな名盤 (1) 青葉市子「アダンの風」2020年

日本のオルタナティブな名盤 (1) 青葉市子「アダンの風」2020年

…架空の島に生まれ育った予知力を持つ娘が言葉のない島『アダンの島』へ送られ、そこで『クリーチャー』という謎めいた存在に出会う…

謎めいたプロットを元に「架空の映画のためのサウンドトラック」というコンセプトで創作された2020年リリースの作品。

青葉市子自身が沖縄や奄美の島を訪れた体験が作品の源になっているが、沖縄の音楽をモチーフにした作品ということではなく(琉球音階を取り入れた曲はあるが)、音

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