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Trustful Teamのための第一歩、採用の話

この記事はTrustful Teamをテーマとした「LayerXアドベントカレンダー2023春」の21日目の記事 です。

今回は、Trustfulなチームを作るためには採用から、という話について書かせていただきます。至極当たり前と思いつつも、今年改めて非常に大きなジャンプアップを目指すLayerXとして再度意識をしていくために、一歩一歩基本に忠実に歩もうということで書くこととしました。

要点

・採用はTrustfulなチームを作るための入り口であり、スキル・カルチャー・キャリア全てで組織にマッチした人を採用するという活動に妥協をしてはいけない。
・採用過程では、採用プロセスに関わった全員のYESを前提にし、少しでも疑念があれば採用を見送る胆力が重要。
・いつか本当に一緒に仕事がしたい人と働くためには、普段からそれを伝え、何年掛かっても、自分がどこに所属していても声をかけ続ける。
・リファラルは重要だが、リファラルを仕組みとして追いかけるのではなく、楽しい、人を呼びたくなる会社であることが先にあるべき。

Trustの入り口は採用

Trustful Teamは、プロフェッショナリズムと信頼に基づいたチームワークを追求するコンセプトであり、LayerXが重要視する価値観の1つです。このチームは、優れたスキルや能力を持つメンバーがお互いを信頼し、透明性のあるコミュニケーションを重視し、時にはシビアな判断も含めた迅速な実行を目指します。Trustful Teamは、組織全体の生産性と成長を促進するための重要な要素となっています。

Trustful Teamを構築するための入り口とも言える重要な取り組みが採用プロセスです。組織に新しいメンバーを迎え入れる重要な入り口において、スキル・カルチャー・キャリアの全てで組織とのマッチングを見極めることへの徹底的なこだわりがTrustfulであり続けるための基礎となります。このプロセスの中では、妥協せずに徹底的にスキル・カルチャー・キャリアなどどの面においてもマッチした仲間を見つけ出すことが必須だと考えています。

そもそもスタートアップにおける採用競争は常に熾烈を極めており、組織とのマッチについて半ば妥協的にハードルを下げてしまうことがあります。良くある事例がスキル面の優秀さを優先してその他のマッチをおろそかにしてしまうケースでしょう。マッチしない人を仲間に加えても、すぐさま問題にならないこともあります。段々とその乖離が明らかになり、気づくと社内で分裂が生まれていたり、文化の薄まりからメンバーのAgilityが下がっていくものなのですが、どうしても目の前の事業を優先してこうした採用に舵を切ってしまうこともあります。過去自分自身含めこのような事例を見てきました。

おそらく他ではもっと活躍できたであろう方を無理に採用する場合、その方のモチベーションがいつか下がることで周りのモチベーションに影響がでることもあります。思った以上にこの影響は大きく、「誰をバスに乗せるのか」(ビジョナリー・カンパニー2より)は原則として意識すべきです。

だからこそ、Trustful Teamを実現するためには、組織全体がその価値観を共有し、採用においても徹底して実践することが不可欠だと考えています。組織のトップから現場のメンバーまで、お互いを信頼し、透明性のあるコミュニケーションを実現するには、自身の組織にあった人を採用するという基本を徹底せねばなりません。

全員のYESを前提にする

このような採用基準を実現するために、面接に関わる全員が納得しているかどうかというルールの徹底が求められます。LayerXでは、一人でも面接過程で疑問符をつけた場合、採用を見送るという徹底した姿勢を貫いています。例えば、本当に「この人はLayerXでやりたいことができるのか?」や「LayerXらしい意思決定が可能か?」など、採用プロセスの中で誰かから疑問符が付くと多くの場合採用は見送りとなっています。もちろん単にプロセス上まだ十分に対話できていないだけのこともあり、少なくとも追加のコミュニケーションを入れることは徹底することになります。この厳しすぎるとも見える基準は、組織にとって最適な人材を採用することにつながり、Trustful Teamの構築に資すると考えられます。

しかし、厳しいルールが課される一方で、組織として十分な規模で採用を進めることも重要です。このバランスを保ちながら優秀な人材を確保するためには、採用広報や求人活動を通じてより多くの候補者と接触する工夫が必要となります。そのため、LayerXでは、このアドベントカレンダーなど多くの発信を通じて徹底的に中を知ってもらうこと、社内外でのイベントやカジュルアル面談を活用し様々な方とお会いすることなど、多様な候補者の方と会話することに力を入れています。その中で時には自社のダメな部分も見せながら正しく我々のことを伝えることでマッチした方に応募していただくことを重視しています。

より多くの方にお会いする、というのは言うは容易く行うは難しということで凡事徹底、全社で「全員採用」を掲げて全てのメンバーと連携して採用活動を進めています。

いつか働きたい人にはいつも声をかける

ところで、より良い採用、またそのためにマッチした方にお会いすることを追求する中で、一人の人間として重要視していることがあります。「いつか本当に働きたいと思っている人にはいつも声をかける」という基本の徹底です。この姿勢はメルカリCEOの山田進太郎さんに学んだところがあります。様々な場所で、山田さんが徹底して人に会い続けているという話を耳にしており、実際弊社の石黒からもそういった話を聞いています。

採用というのは常に時の運もあります。人の採用タイミングは様々ですし、それが表に出てくることは非常にまれでしょう。更に見落としていることもあります。また、その人にマッチしたポジションが空いている、ということも案外と貴重なことがあります。自分の知る中で本当に働きたい人、かつ今転職できる人、かつ今適切なポジションとキャリアを用意できる方という3つが重なる場面は本当に幸運という他ありません。

だからこそ、多くの人に会い本当に一緒に働きたいと思う人に出会うこと、そしてなるべく声をかけ続けることというのは、Trustfulなチームを作る上で欠かせません。本当に自分が働きたいと思う人だからこそ、その方と仕事ができる機会を得るためにアクションをし続けるべきです。本当に一緒に働きたい方でチームを作ることができれば、これに勝るTrustful Teamの入り口はありません。

余談ですが、4月からLayerXに参画いただいた小賀さんは、私が前職DMMにいた頃からずっと一緒に働きたいと伝え続けていた方です。定期的に、お会いするたびに一緒に仕事をしましょう、と言い続け、やっと一緒に、刺激的な目標に向かって突き進めるということで本当に嬉しいです。

楽しい、がリファラルの根底

また、全員採用を実現する上では、本当に一緒に働きたい人を採用するためのリファラル採用のプロセス整備や促進は重要なことになります。ここについてはメモリーパレスや呼びかけの仕方など様々なtipsがありますが、インターネットに多く転がっているためここでは割愛します。

リファラル採用においては、プロセス整備以上に大事なことがあります。楽しい組織・楽しめる環境・楽しいミッションがあるか、この楽しいという概念は私が最近マネジメント上でも言い続けている重要なトピックでもあり、リファラル採用でも重要なものだと考えています。


社内定例のスライドより

上記は以前社内の定例で使ったスライドの一部ですが、仕事が楽しいという条件がなければ、本当に一緒に仕事をしたい方を呼ぶというアクションに移る事ができません。ですので、まずはそもそも楽しく仕事ができる、そのために一人ひとりのメンバーに対して楽しい、を阻害する要因を無くしていくことがリファラル採用においても重要だと考えています。これには、ミッションやビジョン、そこに整合した事業戦略に対するアカウンタビリティを果たすこと、一人ひとりに向き合いキャリアステップや悩みに寄り添うことなど一般的なマネジメントとして重視することが欠かせません。

楽しい、というだけでは甘いという経営者の方もいますが、私自身は楽しいという状態のチームが発揮するアウトプットはとても大きく、LayerXの経営をしている中ではやはり重要なポイントとなっているように思います。

最後に

ここまで、Trustful Teamを実現するための入り口としての採用という話を書いてきました。結局は当たり前のことしか言っていません。当たり前なのですがこれを凡事徹底することは難しいものです。経営者だけでなく、マネージャ、そして一人ひとりのメンバー全員が採用に向き合うことがまずTrustfulな組織を作る第一歩です。

そんなLayerXですが、冒頭にも書いた通りこの4月からは、より「すべての経済活動を、デジタル化する」ために、相当に刺激的な目標を掲げました。この刺激的な目標を、同じく刺激をもらえる強力なチームで向き合ってみませんか。もしご興味ある方がいれば、カジュアルにお話しましょう。

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