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Anycubic i3 MEGA アップグレード計画⑨ ダイレクトエクストルーダーmod 後編

どもどもYanでっす。

本日のお題は「MEGAをダイレクトエクストルーダー化してしまおう」の後編です。

BLTouchを使ったオートレベリングを行わない人は、今でのカスタムでMEGA用カスタムファームウェアを入れていると思うので、そのまま使えます。

エクストルーダーのモーター変更してるのでキャリブレーションは行いましょう。特にE3Dのモーターを取り付けた場合は必須です。モーターの回転の最小単位が1.8°だったのが0.9°になっているので、そのままだと100%要求しているところが50%しか送り出されません。

一応PIDチューンもやり直しておいた方がいいでしょう。

BLTouchを取り付けた人は、こちらの記事を参考にして、ファームウェアをBLTouchのやつに書き換える必要があります。書き換えないと、余計な部品が付いているだけになってしまいます。

モータードライバは、アップグレード計画で書いた通りのカスタムを行っている場合は「TMC2208_STANDALONE」になります。

z offsetなども設定を済ませたらオートレベリングが使えるようになります。

エクストルーダーキャリブレーション、PIDチューンなど一通りやるのを忘れずに。

さぁこれでダイレクトmodでプリントする準備は整いました。ここからはダイレクトmodを使っていく上でのポイントを紹介していきます。

ダイレクトmodを使いこなすには

ダイレクトエクストルーダーに変更になるとCURAの設定で何か所か変更しないとならない部分があります。

リトラクション量

ボーデンmodだと3~6mmくらいだったと思います。ダイレクトmodでは1mmくらいから調整を始める感じでOKです。レスポンスが上がっているのでリトラクションが少なくても垂れが少ないからです。

ボーデン式だとなかなかPETGの糸引きをなくすのは難しいんですけど、ダイレクトmodだとこんな感じでプリントできます。

プリント速度

アップグレード計画用のMEGAでもPLA、PETG、ABSは80mm/sでかなり綺麗にプリントできます。もちろん1層目だけは遅めにします。やろうと思えば100mm/sだっていけます。さすがに150mm/sはトラベルだけしか試したことないですが、振動をどうにかしないとダメな感じです。

TPUだけはまだ設定を詰めきれてないのか、50mm/sを超える速度でのプリントはうまくいってません。もともとフレキシブルマテリアルは遅いスピードでプリントするものというセオリーになってるので50mm/sでも十分速いんですけどね。

リニアアドバンス

MEGA用カスタムファームウェアではリニアアドバンスが有効になっています。Kの値を設定しなければ無効と同じ動きなので問題ないですが、ボーデンmodの時とは値が大きく変化するので、ボーデンmodで使っていた人はかならずキャリブレーションをやり直してKの値を調べなおしてください。

ダイレクトエクストルーダー化で気を付けないといけないこと

個人的にかなり大事だと考えているのは、フィラメントスプールからいかにスムーズにエクストルーダーまでフィラメントを送りこめるか。

ボーデン式の場合は送り出し量の精度、レスポンスが上げにくいけれど、微妙な動きはボーデンチューブ部分で吸収してくれていたんだと思います。

ダイレクトエクストルーダーにすることで、このボーデンチューブの遊び部分がなくなってしまうため、スプールからエクストルーダーの間で引っかかりなどがあるとプリント品質にすぐ影響が出ます。

出来るだけフィラメントをスムーズにエクストルーダーまで届かせるにはどうすればいいのか、という一つの回答がオープンフレームタイプのFDMプリンタのお手本とも言えるPrusaシリーズにあります。そうフィラメントスプールを上に設置するというもの。

プリンタ本体の高さがかなり高くなり、段ボールエンクロージャー内に収めにくくなってしまうので、今まではプリント可能高を制限してしまうスプールホルダーを3Dプリンタでプリントして使用していました。Thingiverseにデータ公開しています。

現在は、中華CO2レーザーカッターを導入してアクリル加工が可能になったので、アクリル板とアルミ棒を使ってMEGAの上側にフィラメントスプールを設置できるようにするホルダーを作って運用しています。出来る限りエクストルーダーまで短距離で送り込めるようになっているので、ダイレクトエクストルーダーに向いています。こちらはBOOTHにて販売中。

まとめ

3回に渡って書いてきたダイレクトmod編。ダイレクトエクストルーダー化することで、アップグレード計画の目標の一つである常用80mm/sプリントの環境が手に入ります。もちろん本体の振動を極力減らすために速度を落としてさらなるクオリティアップも図れます。

プリント速度という面では格安プリンターとは思えないくらいの速度でプリントできるようになってると思います。品質ももちろん問題なし。CURAの設定次第な面もありますが…。

一応ヘッドに関しては、このダイレクトmodの導入で打ち止めの予定です。最終形態です。後はベッドの昇温速度とか、静音化をさらに進めていこうかなと考えています。お楽しみに!

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