お役御免☆

悪魔「貴方の願いを3つかなえましょう」
女「本当ですか?!」
悪魔「えぇ本当です。さぁなんでも言ってみなさい」
女「そのまえに」
悪魔「なんでしょう」
女「叶えて貰ったときの代償はなんですか?」
悪魔「ああ!それをお伝えし忘れていましたね!失礼しました。私がいただくのは貴方の魂です」
女「魂!?では叶えて貰っても意味がないじゃないですか」
悪魔「ご安心ください。魂をいただくのは本来の寿命の少し前です」
女「なるほど、私は実際全うするはずだった人生とほとんど変わらない時間を過ごせるし、さらには願いも叶えてもらえる、と」
悪魔「そうです!人生を全うされてしまうと貴方の魂は死神に持っていかれてしまいますからその前に私が頂戴するということです」
女「なるほど!win-winですね!」
悪魔「そういうことです。では改めて願いをどうぞ」
女「じゃあ1つ目はお金が欲しいです!」
悪魔「お金、いくらぐらいですか?いくらでも出せますが」
女「一千万くらいで」
悪魔「案外少ないんですね」
女「大学の学費と奨学金が返せるぐらいあればいいですよ。あとはちゃんと働きます」
悪魔「欲がないんですね」
女「そういうわけではないですが、こういうのは欲張りすぎると失敗するのが関の山でしょうし」
悪魔「疑り深いのは良いことですね」
女「はい!ではここに現金で出してください!」
悪魔「お安いご用です!」(手を叩く)
女「わぁー!ありがとうございます!」
悪魔「では2つ目は」
女「2つ目は、安定した職が欲しいです」
悪魔「これまた質素だ」
女「今の世の中安定している職の方が珍しいもんです。経営がちゃんとしていて人間関係良好、給与はそこそこで休みはちゃんと取れる会社なんてそうそうない」
悪魔「なるほど、人間様も大変なのですね。お安いご用です!」
女「わぁ!メールが!採用メール!」
悪魔「貴方の面接を受けた会社のうちもっともご要望に添える会社はそちらでしたのでご用意いたしましたよ」
女「ありがとうございます!」
悪魔「でもまぁありもので用意したので少しの不満は堪忍してくださいね」
女「勿論です!あとは私の努力次第ですね」
悪魔「えぇ、物分りがよろしくて助かります。では最後の願いは?」
女「貴方を人間にしてください!」
悪魔「私を人間に?!どういうことですか」
女「あまったので、好奇心です。できませんか」
悪魔「うーん、おそらくできますが…それは見た目だけではなく中身も人間ということですか?」
女「えぇ!」
悪魔「そうなりますと24時間とか、制限がつきますね。自分自身に魔法をかけるのは案外大変なのです。構造までとなればなおさら」
女「なるほど!全然、1時間とかでもいいですよ!」
悪魔「1時間人間になって私は何をすれば?」
女「んー、暇なので一緒に食事でも?」
悪魔「人間の食べ物は口に合うでしょうか」
女「人間の舌になるから大丈夫でしょう」
悪魔「そうですね、では叶えましょう」
女「わぁー!人間になりましたね?」
悪魔「えぇ、これで完璧に人間です」
女「じゃあはい!」グサッ
悪魔「ぇ、」
女「私はほんの少しでも寿命を貴方にあげるなんて嫌です。ましてや人間と悪魔では"少し"の感覚なんて絶対に違うに決まっています!なのでごめんなさい☆」
悪魔「…」
女「おあーもう死んじゃったなぁ」(電話をかける)
prrr…
女「もしもし?はい。片付けをお願いしたくて、はい?あぁ!大丈夫です!お金ならありますから」

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