wonderland
A「寒いわ〜」(肩をあげて寒がる)
B「そおね」
A「なんで遅刻するかな〜てかお前寒くないの?」
B「普通」
A「なんだよずるいなぁ」
B「なんでよ」
A「もういいからさ、なんか気の紛れる話ししてよ」
B「えぇ…じゃあさ、」
A「お!なに?!」(自分の腕を強くこすりながら勢いよく顔をむける)
B「私夢に感覚があるんだけどさ」
A「夢に感覚がある?」
B「うん。それいっても誰にも理解してもらえなくて、君はどう」
A「いや、私も全然わかんない。どういうこと?」
B「だから、夢の中で誰かに触られたとか、痛いとか、なんなら匂いとかも普通に感じるの」
A「へぇ、じゃあ『ほっぺをつねって夢かどうか確かめよう!』ってやつできないね」
B「できないよ。意味ないもの」
A「痛いもんね」
B「痛いもんよ。この前も夢で全方向ブロックに囲まれて動けなくて、目が覚めても動けないから一回夢に戻ってブロックどかしたもんね」
A「なんじゃそりゃ!それ目が覚めたとこもまだ夢なんじゃない?」
B「わかんない。半分夢?」
A 「じゃあ夢の中で殺されたらどうなんの?」
B「知らないよ、殺されたことないし。でも走って逃げ回る夢よくみるけど、体力はいくらでもあるから、痛くても、死なないかも」
A「そもそも夢なんだから死ななくない?」
B「まぁね、でもショック死とかありそう」
A「自分に起こるかもしれないのに呑気だなぁ」
B「健康なのに急に目が覚めなくなっちゃう人いるじゃん?あれって夢の中で殺されちゃったのかな」
A「そんな人いんの」
B「うん、昔近所でね」
A「寒いの紛らわせてって言ったのに暗い話しないでよ」
B「そっか、ごめん」
A「ねぇ寒いから流石にどっか入ろう」
B「そうだね」(立ち上がり上手に移動を始める)
[銃声]
A(舞台奥に向かって倒れる)
B(足元に転がる友人を見つめる)
「そうね、きっとこれも夢なんだわ」
(客席側に顔を向ける)
[銃声]
B(舞台奥に向かって倒れる)
[暗転]
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