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悩みのタネ

潤いのない平坦な毎日の上に、オサカナ現場に行き山崎愛さんとチェキを撮るという新しいレイヤーを重ねる事で輝き出した日常も常のことになってくるとそちらが当たり前のようになり、欠落を経る事でその時間の価値を確認するようなフェイズに移って行きます。

ライブのあった翌日の仕事の最中に思い返す多幸感。名前を書いてくれる事が少なくなった頃に持ち帰ったチェキに久しぶりに名前が書いてあったのに気づいた時の格別な嬉しさ。インフルエンザで愛ちゃんがライブを欠席した時のライブ配信の悲しさ。大きなイベントのラストにあるはずの新しい大きなお知らせがなかった時の困惑。

今年の2月、コロナ渦へ突入する直前にオサカナ主催の3会場同時開催の大きなサーキットフェス「天体の音楽会vol.3が渋谷で開催され、この先も楽しい日々が続いていく事を確信できるような大成功のもと幕を閉じました。特典会でライブの感想を伝えると愛ちゃんは「やったー!」と素直な喜びを表してくれました。そしてそれがマスク無しで撮った最後の愛ちゃんとのチェキになりました。

それ以降のライブではマスク着用が必須となり当然チェキもマスク姿となりましたが、この時はまだ収束するまでの少しの間の辛抱だと楽観していました。思うようにライブも開催できなくなり配信によるライブや特典会なども行われるようになりながらも、夏頃には元のようにマスク無しで楽しめる日が来るだろうとの予測の元。そんな最中の5/22、突然sora tob sakanaの9/6ラストライブをもっての解散のお知らせがツイッターで発表になりました。

生活の真ん中にオサカナがあった僕らにとってどれほどのショックであったかはここまで読んで頂いた方にはご理解いただけることと思います。頭の整理がつかず信じられないという思いと大きな悲しみ、もう2度と会えない事への絶望感、何がいけなかったのか?どうすればこんな事にならずに済んだのか?という答えのない自問、その日以来毎日のように思い返しては泣いていたと思います。

全ては本人たちの明確な意思の元何度も話し合いを経て、誰もが納得いく結論としての発表である事が伝えられ、その中にネガティブな要因が一つもなかった事に救いを感じながらも、どうあがいても撤回されることはないという強い意思を感じ打ちひしがれました。

どれだけ日を置いても心が切り替わる事はなかったものの、悔いの残らないようにと全振りでファンとしての活動をその日まで続ける事を決意したおかげか、ラストライブ前のコロナ自粛期間明けのリアル現場のライブに参加する事が叶いました。赤羽ReNYでのソーシャルディスタンス式の着座でのライブです。整理番号は1です。最前列ど真ん中で参加する事ができ、山崎愛さんの美しいパフォーマンスをこの目に焼き付けました。

僕は山崎愛さんのしなやかで淀みのない繊細なパフォーマンスが何よりも大好きです。少年のような澄んだ不思議な歌声が大好きです。真顔で時々どこを見てるんだろうっていう瞬間があったりするのが大好きです。終わりのあいさつをした後1人だけペンギンのようにかわいく頭を下げていく姿が大好きです。コロナ以前の現場では整理番号がよほど良くない限りパフォーマンス中の全身を見る事はできなかったのが、配信や着座でのライブ鑑賞になった事で振りの美しさと歌声をじっくり楽しむ事ができるようになったのはとても有意義な事だったと思います。

9/6のラストワンマンライブに参加できなかった僕にとってそれが生で見た最後の山崎愛さんの姿となりました。舞台をはける最後の後ろ姿を今でも覚えています。

おわり。



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