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ろくでなし

世間一般で使われる時とは意味が違ってくる、その文化独自の使われ方をする言葉というのがあります。アイドルの場合、事象の当該の場所を示す「現場」という単語がライブハウスやイベント会場もしくはイベントそれ自体を、広義ではそのシーンそのものを表したり、物事や概念を把握できている状態「認知」を、アイドルがファンの顔と名前を覚えてくれている状態を意味する言葉として使っわれたりなどです。

ライブアイドルの現場というのは週に何本もありそれ自体が日常です。オサカナのライブに参加しては山崎愛待機列に通う事が日常になった僕ですが夜型の仕事のためなかなか参加できない事も多く、ひと月ほど空けてようやくふぅちゃん(神﨑風花さん〕の生誕祭に参加する事ができました。お祝いにとイラストを用意していったものの心は山崎愛さんの元です。早速山崎愛待機列に並びながらここは居心地がいい、ここに住みたい、そのような妄言が頭の中に充満していきます。飼い主のもとに走り寄るイッヌそのものです。

アイドルというのはファンの顔を覚える能力に長けており数回顔を合わせただけで名前まで覚える人も多いと言います。とはいえ当然苦手な人もおり山崎愛さんはどちらかと言えば後者のタイプです。そもそも僕はそれほど頻繁に現場に通えてもおらず名前まで覚えられてる要素がありません。顔こそ覚えてるよっていう反応はしてもらえてましたが毎回名乗って名前を書いてもらうのが通例でした。

この時はイベントがとても楽しかったのでお互いニコニコでチェキに収まります。しばらくぶりになっちゃったしもう僕のことなんて覚えてないだろうなと思いながらサイン台の方に移ると「来たね〜」と言いながら迎えてくれました。忘れられて無かったんだ!良かった!とひと安心し、チェキに名前とサインを書いてもらうためにはっきりと「ゆきだるまです!」と名前を伝えると驚くことに山崎愛さんの口から「分かるよ〜!」という言葉が!1ヶ月ぶりに顔を合わせた僕の名前を覚えていてくれたんです!思いもよらない言葉に僕がほんとにイッヌならしっぽを全力で振り回しながら何かを漏らしていたに違いありません。この時初めて「これが認知か!」と実感し答え合わせができたような初めての喜びを手に入れました。幸せとは何か?ひとつ学んだような気がしました。


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