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『つきとつりをする少年』 第1話
みなさん、こんばんは。今日もつきがきれいなよるですね。しずかな夜はすきですか?
あめがふっていても、くものうえは、はれているはずです。
もちろん。しずかな夜はすきです。
じつは、ぼくはおさかなをつることも好きなんです。みんなはつりをしたことがありますか?
つりには糸とつりざおと、あとおさかなのエサとかがひつようなんですが、どれかもっていたりしますか?
でもじつは、つりにはもっとひつようなものがあるんです。
そうなんです。
それはいっしょにつりをしてくれる『ひと』なんです。
もちろん、おさかなはぼくがつるのですが、
そのあいだたいくつにならないように、おはなしあいてがひつようでだいじだなあ、ということなんです。
こんばんのおはなしあいてで、いっしょにつりをしてくれるひとは、おふねさんです。
おふねさんは、ぼくがつれてもつれなくても、
だまってしずかに、おはなの先をいつまでもかしてくれます。
ほとんどよるだから、おふねさんはねているのか、それともあまりおはなしがすきではないのかなあ、とおもうこともあります。
どうかわからないくらい、おふねさんとはあまりおはなしはしません。
けれども、
『またあしたに、おさかな、つれればいいね。いいよね。あさがくるから、きをつけておかえり』、
とぼくがいつも、あきらめておうちにかえるときに、
いつもいってくれるんです。
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