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全ての競技に求められる“Training factors pyramid”とは?

今回は、全ての競技で勝つために必要な“Training factors pyramid”について綴っていきたいと思います。

このピラミッドは、以前紹介した「パフォーマンスピラミッド」とはまた異なるモデルとなります。

左:Training factors pyramid     右:パフォーマンスピラミッド



異なる点として、

○パフォーマンスピラミッドは「競技スキル」を高めることを目的とした概念。

○“Training factors pyramid”は各競技での「勝利」を目的とした概念。

Training factors pyramid は「勝つ」ためのプロセス


パフォーマンスピラミッドはより高い「競技スキル」を獲得するためのプロセス

大学、特に実業団・プロスポーツの世界では「勝利」が究極的な目的です。
なので勝利が求められる世界に身を置く、アスリート・監督・コーチが “Training factos pyramid” の概念も押さえておくことは重要でしょう。

さて、この2つのピラミッドを見て共通する点があることに気づいた方もいらっしゃるかもしれません。

パフォーマンスピラミッド(右図)は“Training factors pyramid”(左記)の下層と同義


以前の投稿で紹介したパフォーマンスピラミッドは、
「各競技のスキル(技術)は体力という土台の上に成り立っている」と説明しました。

そして、“Training factors pyramid”はさらに階層化されており、
「勝利の確率を上げるには、メンタル・戦術・技術・体力という全ての土台が強固に成り立たなければいけない」という考えがモデル化されたものです。

簡潔にまとめれば、
体力(筋力・パワー・柔軟性・持久力etc)が高い方がより高い技術を獲得できる。
そして、その高い技術を持ったアスリートであれば難度の高い戦術を体現できる確率も上がります。
さらに、不安や緊張、プレッシャーという感情を上手くコントロールできるアスリートは下層の全ての要因を高いレベルで体現できるため最終的には勝利できる確率が高まる。
という理屈です。

もちろん、体力・技術が高くても戦術がダメダメでは勝てる試合も落としてしまうかもしれませんし、体力・技術・戦術のレベルが高くても何らかの心理的プレッシャーが大きければそれらを高いレベルで発揮することはできません。

S&Cコーチが戦術のことまで口出しするのは業務の範疇を逸脱していますが、監督・コーチ陣が望む戦術を共通認識しておくことはトレーニングプログラムや年間計画を作成していく上で重要な判断材料になるはずです。
なので
「私はS&Cコーチだからチーム戦術に関与すべきじゃないし、自分の仕事だけに集中してればいっかー」では大切な情報を逃してしまうリスクがあります。
ミーティングなどで戦術の会話があってもその輪の中に身を置き、その戦術をS&Cコーチとしてのレンズを通して聞いたり質問することで新たな発見があるかもしれません。

分かりやすい例を挙げれば、
このチームは走ることが戦術上重要な鍵を握っている。
→オフシーズンの持久力メニュー・エネルギー代謝能力の比重を多くしてみよう。
→監督に持久力メニューを行うための時間配分を調整してもらおう。

上記の解釈は単純ですが、考え方のイメージはこんな感じでしょうか。


あとがき
初めて担当する競技であれば分からないことの方が圧倒的に多いですがアスリートや監督に質問したり、動画で見たりして新たな競技性を吸収するのはなかなか楽しいものです。


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