Yuki

好きなものに触れたときの感情の言語化を通して、自分がどういう人物かを書き残す試み 本/…

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好きなものに触れたときの感情の言語化を通して、自分がどういう人物かを書き残す試み 本/絵画/舞台/音楽など

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『サラバ!』西加奈子(2014)

これから書き連ねることはとても私的な事柄で、そこに誰かにとってのtakeawayがあるのか分からない、そういう気持ちはほとんどないまま書き出している。友人に勧められて読んだ『サラバ!』(ハードカバー版)はあまりにも痛切に自分自身と重なるところが多く、何かを書かずにはいられなかったし、自分が一番悩んでいる「自分自身が信じるものを、ずっと誰かが決めてくれた。でもこの先は?」ということを真っ向から書かれて、この本の感想を書くことを通じて、少なくとも何かしらかは自分の中でまとめられる

    • 『闇の左手』アーシュラ・クローバー・ル=グウィン (1969)

      ル=グウィンの出世作であり、フェミニズムSFの代表作にして、ネビュラ賞・ヒューゴー賞のダブルクラウン…この本につく様々な修飾語に惹かれて手に取ったが、この作品は重厚で、それらの飾りはあくまで飾りでしかなかった。そして自分がいかに既存の社会的先入観を有しているか向き合わざるを得ない話で、感性が鈍化していると感じる私をなお揺さぶってくれ、小説家としてなんと偉大な人なのだろうと感服する作品となった。 1. ゲセン人の両性具有、「女性」物語の舞台である惑星<冬>/ゲセンに住むゲセン

      • 『晴雨通信-1983年夏~1985年春 』柴田翔 (1985)

        1. 父の好きな作家 - 柴田翔社会人になって落ち着いてきたためか、父や母にも同じように個人の人生があるということへの理解が、ようやく最近生まれてきたように思う。 私の両親はきっと私の好きな音楽や作家、絵画について即答できると思うのだが、私は両親の好みの一部しか知らない。それはいつも「あなた(私)の好きなラフマニノフよ」という会話が投げかけられ、「私(父/母)の好きなショパンが…」という風にある意味"押し付けられた"ことがほとんどないからだ。私はいつも「ねえ見て、私の好きなオ

        • 三島由紀夫没後50年という年

          2020年は三島由紀夫の没後50年という年であり、三島が好きだと公言している自分にとり三島を見直す口実・きっかけが溢れている。彼が私にとってどのような人物なのか、自分はなぜ好きなのか・今どのような理由で好きだと感じているのか、あくまで感想的に(not 分析的)したためたい。 2020年の1月1ミシマ (随時更新を目指す)今年は三島イヤーなので、1月に1つ何か三島関連のことができないのだろうか?と思っている(1月に1作品を読むというのは早速行えていないが、トータル12冊読むと

        『サラバ!』西加奈子(2014)

        • 『闇の左手』アーシュラ・クローバー・ル=グウィン (1969)

        • 『晴雨通信-1983年夏~1985年春 』柴田翔 (1985)

        • 三島由紀夫没後50年という年

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          歌舞伎を好きな理由

          歌舞伎鑑賞は私の趣味の中でも新しく、趣味歴4年目くらい。特にここ2年くらいでよく見るようになった。 2019年は平均すると月1くらいで見に行っている体感だが、友人に「歌舞伎の何が好きなの?」と言われると、意外とうまく表現できなかったので、まとめてみる。 歌舞伎との出会い私の歌舞伎との出会いは、歌舞伎好きの叔母が連れて行ってくれた大学二年生か三年生の時。「高尚」「値段が高い」といったイメージを持っており、敷居が高かったの一言につきる。 やはり初回の感想がポジティブかネガティブ

          歌舞伎を好きな理由

          好きなもの(随時更新)

          自分の好きなものを体系立てて整理する前に、連想的に書き出してみる。並び順に意味はなし。 花・ライラック ・白木蓮 ・金木犀 本/作家・小野不由美著『十二国記シリーズ』 (好きなキャラクターは泰麒と祥瓊で、好きな話は乗月) ・三島由紀夫 (好きな作品は『金閣寺』と『豊饒の海シリーズ』) ・泉鏡花 (好きな作品は「義血侠血」「外科室」「夜叉ヶ池」「日本橋」「婦系図」「湯島の境内」「化鳥」「龍潭譚」…) ・平家物語 詩人・歌人・西行 (好きな和歌は「ゆくへなく 月に

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