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子どもにスマホ・ネットを使わせるなら

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「子どもにスマホ・ネットを使わせるなら」

今、ネットへの依存度が大人も子どもも一気に高まっています。(私もその一人ですが)
子どもが一人で家にいるから、スマホを持たせようという保護者もいるかもしれません。
「大義名分」があるときほど、危険を過小評価しがちになります。

特に子どもに向けて「学習の機会を提供する」「楽しく過ごしてもらう」として、オンラインのサービスが大盤振る舞いの状況になっています。
サービスの提供者には
「危険の押し売りをしているかもしれない」
という意識は常に持っていて欲しいです。
すくなくとも、健康面、発達面に関しての安全性の評価は全くされてないのですから。

弊害の詳細は武田信子さんの以下のnoteもご覧ください。
「子どもの発達・健康に対するモバイル機器の影響と対応」

私が思う、最も危険なことは、「オンラインの感覚」に幼児や小学校低学年など、発達段階の早い時期になじんでしまうことです。
・体を動かすこと、人とあうことが億劫になります。
・考えるより先に情報を求めてしまいます。
・安易な楽しみ、安易な解決を求めてしまいます。
・リアルの世界よりオンラインの世界のほうが魅力的に見えてしまいます。
・本来発達すべき能力が発達する機会を奪われてしまいます。
・依存症にもつながります。

ふだん私が小中学生の保護者にお話ししている対応策の資料をPDFにして提供いたします。

電子メディア、特にオンラインは「必要なことに必要な分だけ」使ってください。必要な分だけに限定すれば、様々な弊害を小さくする(ゼロにはなりません)ことができます。

ネット社会に一人で入っていくなら、どの程度の力を身に付けておかなければならないのか、チェックシートも入っています。子ども専用のスマホ・タブレットを持たせている方は(高校生でも!)やってもらってください。
チェックシートをクリアできている人は、そんなに多くはないと思います。

学校に行っている普段の生活より、電子メディアの時間が長いなら、夕食の開始をきっかけに、テレビ、スマホ、タブレット、ゲーム機をすべてOFFにして、寝るまでの時間をリアルな家族の時間にしてください。
それが「メディアリセット」です。
どのくらい、生活が電子メディアに支配されているか、電子メディアがOFFになっていると、家族がどんな様子になるのか実感できると思います。
子どもたちが昼間、人に直接触れ合う時間が少なくなっているのですから、せめて夕方からは家族と生身で過ごす時間にしてあげてください。
そして、早寝しましょう。

ワークシートも付けていますので有効にご活用ください。
・スマホ・ネット使用能力チェックシート
・スマホ・ネット利用時間分類シート
・「1つから始める」スマホ・ネット利用の約束

■以下PDF資料の内容の抜粋です

1.スマホ・ネットは「本当に必要なこと」だけに使う道具

未成年者は法的・社会的・経済的責任を一人ではとれません。
スマホ・ネットの利用ではこれらの責任が必ず発生します。
その責任は保護者がとる必要があります。その覚悟をしっかり持ちましょう。
スマホ・タブレットをはじめとした電子メディアには様々な弊害があります。「本当に必要なことに必要な分だけ使う」のであれば、これらの弊害をずいぶん減らすことができます
電子メディアの心身への弊害はどんなに正しく使っても必ずあります。
スマホ社会の拡大でスマホ・ネットのリスクは年々(勝手に)高まっています
おとなも子どもも必要なことに必要な分だけ使う道具になっています

2.やってみよう!メディアリセット

次にどのくらい電子メディアに生活が支配されているか感じてみましょう。
今日の夜から始めてみましょう。

①夕食の始まりからテレビ・ビデオ・ゲーム・スマホ等OFF
②夕食後もOFFのまま寝るまで!
 ※大人もスマホ等を子どもの前では使わない。通話のみ可。
③食事中にテレビが消えていると和やか。食事もおいしくなる。
④早く布団に入って絵本やお話しタイム
 ・親もいっしょに寝てしまった方が良い
 ・パートナーの帰りが遅いならラッキー
  →パートナーの世話はしなくて良い。
  自立したパートナーでなければ子育てはできません!
  置き手紙(ラブレターがベスト)があるとうまく行く
⑤朝起きたときの気分の違いを感じましょう
⑥①~⑤を1週間続ける(1日だけでもよいですが…)

●試してみて・・・
 ・子どもの様子の変化(食事の様子、寝つき、目覚める時間、朝の機嫌)
 ・自分自身の体調(体や脳、目の疲れ、お肌のツヤなど)
 ・家族関係の変化

3.スマホ時代だからこそ必要な家庭での「テレビの約束」

情報リテラシー、電子メディアの自己コントロールをマスターするなら、まずはテレビから。
ゲームやタブレットはハードルが高い。テレビなら幼児・小学校低学年から取り組める。

・家族で話し合って見る番組を決める⇒情報の取捨選択の基準を家庭で作る
・見終わったら消す       ⇒不要な情報を遮断する習慣
・食事中は消す         ⇒直接情報を間接情報より優先する習慣
・夜、早くやめる        ⇒生活習慣、健康・発達、学習成績
・朝、つけない         ⇒情報より行動を優先する習慣
・1日の総時間を決める     ⇒情報の優先度を考える習慣、依存防止

★食事中のテレビOFFは、家族の絆、食への意識の向上(食育)の観点からも重要

4.約束と規制

●「約束」は誰がすること?
・約束は守る人がしてこそ「約束」 ⇒ 「××しなさい」と大人が言うのは命令
・子ども自身の「約束守る!」宣言が大切
●電子メディアとの付き合い方は まず「大人の規制」から
 ⇒「約束」はその後

・まず「大人が規制する」から始める ⇒規制が無くやり放題の状態から、子どもから「約束する」とは言いださない
・大人の規制に不満がでてきたら、子どもから「もっと見たい」と要求が出る ⇒子どもが約束を作る」に進める
●約束は破られる!
・実際に約束を作ってやってみると、大抵約束は破られる ⇒約束を破ったら規制を厳しいものに戻す
・①約束を破った理由、②対応策、③保護者の協力について話し合って再挑戦 ⇒「自分のために約束を守る」自制心が成長する

5.家族共用パソコンを使う~大人のスマホを貸してはいけない!

●スマホは人に貸してよい道具ではない
・外に漏らされては困る情報が多数ある→会社の機密情報を子どもがSNSに投稿し職を失うことも
・課金決裁を子どもがやってしまう   → 200万円の被害事例もある
・スマホを貸す・借りるに危険意識がなくなる → 自分が持った時に安易に人に貸してしまう
●小学生のネット利用は保護者管理のもと家族共用のパソコンが良い
・家族共用だと悪い利用法になりにくい。パソコンなら使う場所も限定される。
・保護者がパスワード、フィルタリングをしっかり掛け、時間制限を掛けて使わせる
・パソコンが使えず苦労する大学生・新社会人が増えている
●どうしても子ども用のネット機器としてタブレット・スマホを使うなら
・家族共用のものにして中には個人情報や必要以外のアプリを入れない。
 特にクレジットカード情報等設定しない。
・Apple ID、Googleアカウントは、保護者のスマホ等と親子関係(ファミリー設定)にする
・テレビにHDMIケーブルで接続して大きな画面で2~3メートル離れて見る ⇒小さな画面を近い距離で見るのが、最も目に悪く、体にも負担
・ただし大画面でゲームをすると、より依存的な使いかたになるのでゲームアプリは絶対に入れない。

6.スマホ・タブレット・PCは制限設定で機能制限・時間制限を設定して使う道具

参考:機種別機能制限・時間制限の方法
  iPhone、iPadならスクリーンタイム
  Androidならファミリーリンク
  Windows PCならファミリー機能

●iPhoneなら必ず設定~スクリーンタイム・時間制限・休止時間
・1日、1週間単位でアプリごとの使っている時間がわかる
 ⇒自分の利用状況を知る
・アプリ・カテゴリ・全体の利用時間数の制限が決められる
 ⇒約束した時間で制限を掛ける
・1日のうち使わない時間帯を決められる
 ⇒休止時間として必要な時間以外使用禁止にする
・休止時間でも常に使えるアプリを指定
 ⇒連絡用等常に必要な機能は常時使用可能なアプリに設定
・保護者のパスコードを設定すると約束以上の利用には保護者の許可が必要になる
・保護者のiPhone、iPadから制限を掛けられる
 ⇒ファミリー共有を設定する

7.LINE・SNSは保護者がチェックできるようにしプロフィールにも明記

・保護者のパソコンやi-Padから子どものLINEをチェックできるようにしておく
 パソコンの場合 http://appllio.com/how-to-use-register-line-pc
 iPadの場合   http://sbapp.net/appnews/app/line/ipad-iphone-44823
・プロフィールに「保護者チェック中」と入れる
 ⇒危険な人物が「友だち」になることを防げる
・友だちにも「保護者がチェックしている」と伝える
 ⇒LINEでのトラブルの予防になる

8.子どもとスマホ・ネット・ゲームについて雑談ができる関係を!

・オンラインでは、法的・社会的・経済的責任が常に発生する
⇒保護者はこれらの責任を負う必要がある。
⇒子どものやっていることを把握しておくのは最低限必要なこと
・意を決して子どもが誰かに相談するときは、すでに問題が深刻化している。
⇒普段からの「雑談」の中にリスクが見え、早期対応が可能になる
・「気楽に話せる大人」と「厳しく律する大人」の役割分担ができると良い

子どもだけの秘密はあって良い。しかしネット利用で秘密を作らせては責任が取れない

9.子どもと話すとき~「わからない」を武器にする

●保護者として理解しておくべきこと
・電子メディアの利用が子どもの健康と発達に与える影響
・電子メディアの利用が社会や人との関係に与える影響
・保護者の社会に対する責任
●話の進め方
・保護者が「わからないもの」からは守りようがない。
⇒わかるまで使わせない。保護者としてどっしり構える。
・保護者が「わからないもの」について、子どもの話を良く聞き教えてもらう。
 ⇒子どもがやっていることの内容(動画やゲームの内容も)、目的、理由、必要性を良く聞いて理解する
・子どもが話したいことを話してもらう。矢継ぎ早に質問しない。
・保護者は本気で話を聞き、理解する姿勢。
 本気=「保護者として納得できれば使わせていい」
 ⇒本気で聞けば、本気で話してくれる。
 子どもも対話することに意義を見出す。
・保護者が心配や危険を感じるものについて子どもとよく話し合う
 ⇒何が心配でどうしたら安全になるか意見を出し合う
  保護者の意見は「私は」を主語にする。

「私は、使いすぎで睡眠不足になったり、体調を壊したりするんじゃないかと心配」
さらに一言、付け足す。
「あなたはどう思う?」

・話し合ってもわからないもの、危険への対策ができないものは使わせない

「今の説明ではまだ理解できてない。親の責任として理解できないものは使わせられない。」

保護者は、子どもの電子メディア利用の越えるべきハードルになってください!

■ここから先は、子どもに見せて取り組んでもらいましょう

10.自分用のスマホ・タブレット持ってる・欲しい⇒一人で使える力を確認しよう!

・スマホ・ネットを一人で使う(=自分用のスマホやタブレットを持つ)には、様々な力が必要です。
・チェックは、自分で自分に点数を付ける「本人点数」と、保護者など「あなた」のことをよく知っている大人に、あなたの点数を付けてもらう「保護者点数」があります。
・本人点数、保護者点数とも、全項目4点以上でなければ、スマホ・ネットを一人で使うだけの力はありません。⇒「自分用のスマホを持てるだけの力はない」ということです。

●スマホ・ネット使用能力チェック
1点:わからない 2点:全くできてない 3点:あまりできてない
4点:まあまあできている 5点:よくできている
①以下②~⑫の質問に、わからない言葉が無く、きちんと意味を理解して回答できる。
②スマホ・ネットで使っている(使いたい)アプリ・機能の使用目的がはっきりしていて、人に説明できる
③スマホ・ネットで使っている(使いたい)アプリ・機能の利用規約を読んで理解し、人に説明できる
④スマホ・ネットで使っている(使いたい)アプリ・機能の危険性を良く理解し、人に説明できる
⑤自分の気持ちや考えを、相手が理解できるような言葉や文章で、きちんと伝えられる
⑥テレビ・ゲーム等電子メディア機器の1日の合計使用時間を2時間以内に自己管理でき、早寝・早起きの規則正しい生活を守れる
⑦感情的になっても、自分の行動を抑えることができる
⑧自分と異なる意見、批判的な意見でも、きちんと聞いて考えることができる
⑨将来の自分のために、今やるべきことが分かっており、やるべきことを優先できる
⑩スマホ・ネットでやっていることは全部保護者(※)に見せられる
⑪何が起きたら保護者(※)に相談すべきか理解しており、実行できる
⑫自分のためになる約束を自分で作り、それを守ることができる

※社会に出て企業に入ると企業活動でのネット利用(業務によっては私的利用も)はすべて企業の管理下に置かれます。あなたがネット上で起こしたトラブルの法的、社会的、金銭的責任は企業にもかかるからです

11.「1つだけ」から始める~スマホ・ネットを本当に必要な機能だけにする方法

[Step1]  スマホ・ネットで「本当に必要な用途」は何なのか?
 保護者に最初の1週間、スマホは通話専用に設定、ネット機器は使用禁止に設定してもらう。その1週間、あなたは、スマホ・ネットで本当に必要な用途が何なのか、それはなぜなのかを考える。
[Step2]  1つ機能を決める
 あなたが本当に必要だと考える機能を1つだけ決め、1つの機能の約束を作っていく。
[Step3]  1つの機能の利用規約を印刷しもらう。それを読んで、理解したことを保護者に説明する
 保護者に説明できるくらい理解できていなければ使ってはならない。
[Step4]  あなたの使いたい理由と健康的・安全に使う約束を考え文書にする
 付録1「スマホ・ネット利用の約束」の1行目に書き出す。
[Step5]  保護者が納得するまで説明する
 あなたが何か問題を起こしたときに保護者が責任を取れるよう、ちゃんと理解してもらう。
[Step6]  保護者が納得したらあなた、保護者の両者が署名する
 あなたは約束を守る、保護者はあなたを守る、という約束です。
[Step7]  約束どおりにスマホ・ネットの機能制限・時間制限をする
 保護者にスクリーンタイム(iPhone)、ファミリーリンク(Android)で機能制限、時間制限設定してもらう。
[Step8]  1週間以上のお試し期間
 付録1を保護者に見える場所に貼り出し、ちゃんと約束を守れるか試す。 
[Step9] 約束を守り続ける 約束を守れている限りは使い続けて良い。
 約束を2週間以上守り続けることができたら、次の機能を選びStep4から始める。付録1の2行目を使う。
[Step10]  約束を破った時の対応
 約束を破った機能は、使用禁止に設定を戻してStep4からやり直す。
1つの機能の約束を1週間守れないようなら、それ以上の約束は守れません。

12.どうしてもやめられない~スマホ・ネットの利用時間を分類して見直す

・「1週間もスマホ・ネットを使わないなんて絶対無理!」という人は、こちらのアプローチで。
・スクリーンタイムのデータから以下の機能の使い方を「なんとなく」「遊び・楽しみ」「必要だから」に分類して、1日の使用時間(分)を記入しましょう。
●保護者と一緒に使いかたを確認して以下に取り組みましょう。
・「なんとなく」(=ひまつぶし)の使いかたはキッパリやめる。
・「遊び・楽しみ」は今のあなたに必要か改めてよく考える。必要なら「必要」に分類。
・「必要」で出てきた時間数に各アプリの利用時間を制限設定する
・休止時間は平均的な就寝時間の2時間以上前にする。
★1時間を超えると心身への弊害が強くなる…「ひまつぶし」で使う道具ではない

13.友だちどうしで話し合って決める「約束」

 友だちどうしでの利用をするなら以下のようなことを話し合って決めておきましょう。
●何の目的で使うのか
 LINEのグループ等を作るときは、何の目的で使うかあらかじめ話し合って決める。
 友だちの安全と健康を守るためには、「なんとなく」や「遊び・楽しみ」で使ってはならない。
●ネットに書き込んで良い内容
 どんな内容を書き込むか、どんな内容を書き込んではいけないか、話し合って決めておく。
●言葉の使い方
 どんな言葉使いをするか、どんな言葉を使ってはいけないか、話し合って決めておく。
●会話の終わらせ方
 誰かが「今日はこれでおしまいにしよう」と書いたら、みんな一斉にやめる、といったことを決めておく。
話し合って決まったことは文章にして約束した人全員がわかるようにしておきましょう
トラブルが起きた時に相談できるように大人にも知らせておきましょう


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子どもにスマホ・ネットを使わせるなら

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