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学校再開から夏季休業へ

 5月末からの分散登校を経て、6月より通常登校となった学校は多い。
 そして8月から短い夏休みに入っていく。しかしながら、一部の学校は8月も授業を実施していくらしい。

 再開された学校の様子は一般的に知られないところではないだろうか。学校においては外部からの訪問者は少ない方がありがたいし、生徒とも接触をして欲しくないというのが本音だ。それ以外で授業はどうなっているの?という疑問を持つ人は少なくないと思う。授業にフォーカスして紹介したい。

 私は、家庭科を教えており、座学以外にも実技も指導している。
 休校により生じた遅れは既に取り戻しているというのは、昨年度の授業数と比較しても明らであり、進度についても特段、急いでいなくとも既に昨年度を超えている。9月末までの学校行事を取りやめたことで、例年ならLHRや行事で使っていた時間が全て授業になったからだ。

 今年度、私は教科指導において新たな試みに挑戦する予定だった。
 「教えない授業」だ。
 指導者がクラス全体に「課題」を設定し、その課題解決に向けて、教科書、資料集、インターネットを駆使して「自分たちなりの答え」を模索する。その中で必要な知識を獲得し、思考、判断、協働していく。そんな年間指導計画を練っていた。しかし、緊急事態宣言から「グループ学習は避ける」「実習は生徒同士が対面にならないように配慮する」などの制約が課せられてしまった。
 生徒が黒板に向かって授業を聞く、時代が求めるものとは真逆の「トーク&チョーク」を求められたのだ。教員として「トーク力」は必要不可欠な力であり、教員の力を丸裸にするものはないだろう、と私は考える。そういう意味では、改めて自分の教員としての「根幹の力」を磨く良い時期になった。

 来週以降、夏季休業に入る。
 現在、東京をはじめ都市部にて再流行の兆しがある。これが一気に広がれば、政治判断としては避けたいだろうが、再び休校もあるのかも知れない。なぜなら、経済活動をストップさせるよりも学校をストップさせる方が社会的・経済的なダメージが少ないためだ。

 教育現場は夏季休業中に、オンライン授業の準備を進めるべきだし、そのためのスキルアップをしていくのは「教員の責務」である。
 また学校を管轄する各都道府県・政令指定都市の教育委員会には、そのための規則や制約を緩和させる動きがあることに期待している。