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8ミリのKOOL


地元の友達というのは限りなく少なくて
というか、今もちゃんと関わりがあるのは1,2人

小中学生の頃の自分は今思えば”自分”ではなかった
何をそんなに必死に猫被ってたんだと言いたくなるほど偽ってた
笑顔とか雰囲気とか纏ってた

そこで上手に生きていくために頑張っていたようです

だからかつて関わりのある人で今もちゃんと友達だと言える人など居ないことを後に気づくんだけど

とある男の子とは、数年後偶然再会し、家が近所だったこともあり時々話をしたりするようになった


彼とは中学生の頃一度だけクラスが同じになったことがある
クラス内に限らず学年でも目立つほうで、圧倒的陽だった

スポーツ出来て サッカー部で
めっちゃ可愛い恋人が居て
勿論常に周りに誰か居た

ああ全く世界が違う~キラキラしてんなあ~
どんなことに思い悩んだりするんだろう、とか

有り難いことに、自分にも友達や恋人は居たし、
目立った部活にも入って、後輩にちやほやされたり、十分充実してるって今振り返れば心底思う

だから彼のような人たちに対してどうということはなかったし単に羨ましさというのも違くって


ただ、自分の輝きは、本当の自分によるものではなかったように思うなあって気づいたとき、
素のままで、自分をさらけ出して、
その歳相応の振舞いでキラキラしてる人は羨ましいも通り越して素敵って思う


思い返せば、あの頃だって口に出さずとも心のなかでは
自分は身の丈にあった慎ましい生活をしていくのだから、と横目に見ていたし

そしてきっとこの先も、こういう人たちと関わることはなく終わるのだろうと心底思ってた

ところが数年の時間の流れで、割とちゃんと語りあえるようになった

ただ、その数年も、
明らかに生きてきた環境や周囲の人間も全く違うから
これ以上踏み込めないという見えない境界線も何となくだけど感じている

これは自分が意図的につくっているのか、
彼がつくっているのか

でも彼はきっとそんな難しいこと考えてなどいないから私が勝手につくってしまっているのかな

こんなことを言ってみたら彼はなんて思うかな

その時相応の反応をして、数分後には忘れちゃうのかなあ
上手そうだもん別に皮肉ってるわけじゃない
いつの日にかふと思い出して感傷的になるあの感覚も、ここにはないのかなあ


突き詰めていくほど交わることは無いと分かっているから
それをちゃんと目の当たりにする勇気も自分には持ち合わせていないから

距離を保って、保って、近づきすぎず、遠すぎず

リスクとかはあまり考えず、 
今したいことに夢中になって、追いかけて

そういうの、今のところ自分には縁がなさそうだからそんな彼を近くで見守っていたいんだと思う

もちろんその夢や理想に近しいところに行く頃にはきっと私はそばにいられないんだろうし
せめて今だけはねそのキラキラしたもの、近くで見せてほしい、見ていたいです

中身がしっかりあるわけでもなく
時々ぐだぐたと一緒に居るんだけど、

そういう時間がやけに愛おしくて、扉を閉じる時にはちょっと切なくて、

友情なんて築けてるのかわからないし
恋というのとは違うし、
愛というにはまだ遠くて、
ふしぎなきもちです

まあきっと知らなくてもいいか何かなんて


最近彼が夢によく出てくるから私の無意識は一体私に何を訴えてるのかを知りたくて、ぼーっとしてしまう朝の目覚めが続いてる


彼の優しさや気遣いは、上っ面なのかもしれないけど、それでも、
「この人、本当に友達なんだ」って思いたくなってしまうもので

上っ面だと思うくらいにはひねくれてる私をそう思わせてくるのなかなかないから
どうしよう自分のなかですごく大切な存在になっちゃったらって不安すら感じちゃう

何の気なしに、誰にでも、さらっと友情感じさせてくる
勝手にグッときちゃいます
自然な優しさ、心の温かさとか


そういうの、
一番に、真っ直ぐに、有り余る程に向けてもらえる人は、
きっととてもしあわせなんだろうな

どんな感情なんだろう
何を考えるんだろう
見える景色はきれいかな
きっとぜんぶ温かいよね

バイト終わり、
煙草を吸う彼の少し後ろを歩きながらそんなことをぼんやり考える


自然な優しさや心の温かさがちゃんとまだある彼に、

「ピュアだよね」って言ったら、

彼は、「俺はピュアなんかじゃないよ笑」と言っていたけれど、


そういうところだよって、
素敵なんだよって、
だから無くさないで大事に持ち続けて欲しいって
そう伝えずにはいられない

まあ、なんて、照れくさくてまだ言えてない!

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