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『おかえり』

先日の話。
1年延期になった3泊4日の修学旅行から息子が帰ってきた。

『アレ、買えたよ!』
そう私に手土産が入った紙袋を差し出した息子

『おぉ〜マジ??良く買えたね!!』
『ありがとう〜〜』

…そして心の声で…

おかえり!!よく頑張ったね!
そう伝えた。

この修学旅行に【行くと決めた事】
そして【行けたという事】
行ってみて【感じ体験した事】
帰ってきて【改めて気づいた事】

楽しかったことも
辛かったことも
丸ごとすべて
この先の経験としていきるはず

小6の修学旅行で悲しい思い出を作ってしまった
【だから】中3の修学旅行は行かないと決めた
【だからこそ】高校の修学旅行は行くと決めた

息子の決断にあぁ凄いな。これまでの経験にも無駄なことは一つもなかったんだ。私はそう感じている

それから…本当は私は知っていた
今回の修学旅行がどんなに息子にとって試練だったか

今の時代は凄い
旅行会社が出発からすべてリアルタイムでホームページにアップしてくれる。それを保護者観覧サイトからみれるのだ。
羽田空港に着いたとか、ホテルに着いたとか、どんなことしてるとか、どんなものを食べているとか、
親がみれるのだ………

時々写り込む息子の様子…
なんだろう…母親だからわかる…
大丈夫か?………

これが私をとてもソワソワさせた

なんか心配で旦那に言うと
じゃあ見なければいい!
連れて帰ってくることもできない!
LINEして大丈夫か?など聞くな!

…なんかあれば連絡がくるから!
そう言われて
本当そうだと気持ちを入れ替えた。
これが私のダメなところ

すべてが経験かぁ…
きっと今の息子なら大丈夫。

なんだかんだ、そう願ってるうち
息子の3泊4日が終わった。

『無事に帰ってこれました』
そうテンション高く話す息子の顔がやけに頑張って話していると感じる

『今回はちゃんとお土産買えましたよ』
『はい、これは○○に』ってメロンが好きな弟のために北海道限定夕張メロンハイチュウと
『それからこれ!クリアファイル』
そう、ご当地クリアファイルを手渡した。
『おぉ始めて○○からお土産もらったわ〜。ありがとう〜』といいなから封を開けると
…それはクリアファイルではなく下敷きだった…
※PS次男はご当地クリアファイルを集めている

少しだけ気まずい空気が漂い
私はヤバいな…また次男が
「何これ、これただの下敷きじゃん。つかえねぇー」とか言うのではないかとヒヤヒヤしていたら

『ねぇ○○、これクリアファイルと間違って買ったの?』と弟
『うん…ヤバ…マジで間違えた』と長男が苦笑いをしていると

『ウケる、でもこれ!カッコイイから部屋に飾るわ』
そう言ってそれを手に持ち自分の部屋に戻って行った

次男も今回の修学旅行が兄にとってどんなに試練だったかを知っていた。
だからか………
それか…始めて自分のためにお土産を買ってきてくれた事が
嬉しかったのか…

とても優しかった

………

正直、息子にとって身内以外の【他人】と共に過ごしたこの経験は母親の私が想像していたよりとても厳しいものだった。

緊張と不安…ストレスで人はこうなるんだなぁ………
以前の元気な息子に戻るまでにはまだ時間がかかるかもしれないが、

だけど私は
可哀想という言葉は使わない

それは
息子がすべて自分で決めたこと。
修学旅行というチャレンジが
失敗だったか
成功だったか………
【行けた】という事から考えれば
むしろ大成功に終わったのではないか。

※それから乗り物酔いをした事がない息子に何となく持たせた酔い止めドロップが、連日の吐き気に効いたことも唯一の救いだったらしい。
よく耐えたね。

あーーやっぱり家は最高ーーと、
死んだように眠り込んでいる息子を旦那と2人で望み込み
『そうとう疲れたんだね』と私。
『そりゃそうでしょ。』と旦那。


6年前…ご飯を選んで買う事ができなくて食べられなかったこと
唯一買えたのは自販機の【いろはす】たったの一本だったこと
それが今
先生や友達と一緒に食を囲み
お土産だって沢山買えた!凄い!
凄い成長だよ!
そう簡単に私は喜んだが…

6年前とはパッケージもちょっと変わっていた


開けていないペットボトル
【いろはす・桃の天然水】を見せ

『なんでこれをまた買ったかって言うと、もうあの頃の俺とは違う、それを証明したかったから』

その息子の言葉を聞いて私は

そうだよな………
誰が何と言おうが思われようが
たとえ寄り添いをもらったとしても
それでも
悔しかったり悲しかったり
傷ついたりしたことって
いつまでもいつまでも心の奥の奥の方で覚えていて

その事がふとした時に顔を出したり…
その都度
敏感に感じて苦しむのも本人で…

そういう過去や思い出を
それらを克服するのもまた本人にしかできない。

…だとすると息子は…
ものすごい努力の上で今ここにいる

側から見て
凄い!とか
変わったね!いう言葉の裏側には
きっと吐き気がするような
息子にしかわからない
死にものぐるいの努力がある
そして
これからもそうして乗り越え生きていくんだなぁと思ったら

なんだろう…この子は…私よりも
遥かに優れていて賢く
そして
とても我慢強い人間なのではないか
と思う。

あぁなんだか深い話になってしまったけど、息子が買えたよと言ったアレ!
それはこれ↓↓

マイセンのバターサンド

私の大好きなコレを最後の最後に空港で見つけた!と。
『他のお土産は適当に選んだけど、これだけは一生懸命探して買ったんだよ』だって。

こんなの聞いて一口食べたら
心の底から旨さを感じちゃったよ( ;  ; )

ありがとうーー
そして、お疲れ様!!











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