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最も人間的な瞬間

こんにちは。

気が付けば五月になりポーランドにもようやく春が来ました。

新チームでの活動を開始して約一ヶ月半

フットボールに関しては上手くいかないことの連続です。

あと一歩のところで勝ちきれない

チームとしてもですが特に個人としてストレスを抱える瞬間が多く

気を緩めてしまったら一気に崩れ落ちてしまいそうな感覚です。

どこかのタイミングでnoteを更新したいと思っていながらも

自分の中に渦巻く感情を的確に言語化することが出来ず

まして自分主体でしかない感情を発信することに少し抵抗がありました。

言葉を探せば探そうとする程分からなくなっています。

けれどもこのまま目を背けてしまってはダメだと思う自分もいて

今後の自分のためにも今一度向き合わなければと

少し落ち着いて綴ることにしてみます。





この約三年間フットボールのために働いてお金を作り

フットボールのために住む場所を変え

自分の時間の全てをフットボールに費やしてきました。

トレーニングも食事も睡眠も全てはフットボールのためです。

下部リーグながらもそれなりに試合に出させてもらって経験も積んで

自分でもこの国のプロのリーグに参入出来るのではと少なからず夢を見ています。

勿論現地に来てからではないと分からなかったことも数多くありますし

それ故に現実が如何に厳しいものかも分かっているつもりです。

挙げ始めれば正直キリがありません。






「郷に入っては郷に従え」

という言葉があります。


‘’その土地(または社会集団一般)入ったら、自分の価値観と異なっていても、その土地(集団)の慣習や風俗にあった行動をとるべきである’’


辞書にはこのように定義されています。

自分にとっての「郷」とはポーランドという国で

ポーランドのフットボールにあったプレーをするべきと置き換えています。

自分がやってきた日本のフットボールで通用する部分もありますが

ほとんどの場合ポーランドのフットボールに順応しなければならないことが多いです。


「郷に従え」


の部分です。

試合中に上手くいかないことが起こり

個人だけではなくチームとしても修正しなければならない場面は多々あります。

コンマ数秒の一瞬で何が起きるであろうかを予測して

それを自分なりに分析してアクションを起こし

上手くいかなければ味方に伝えて改善する

常にこの作業に努めていますし

拙いポーランド語でも伝えようとしています。

勿論自分が常に100%正しいわけではありません。

経験からこうした方が良いという答えを持っているだけで

それが常にベストな答えであるとは限りません。

監督が目指すフットボールもあるため

自分の意見を押し通すことがどれだけ傲慢か分かっている「つもり」です。





先日の試合で監督が指示するプレーがあり

自分なりにそれを理解して努めました。

ただ自分としては納得のいかない指示でしたし

結局それが上手くいったとはとても思えませんでした。

ボールを繋げない、同じような形でボールを失う

奪われたボールを取り返せない状況の繰り返しでした。

結局後半75分に逆転されてしまい

後半ロスタイムで直接狙いに行ったフリーキックが壁に当たったところで試合は終了。

チームは負けてしまいロッカールームではチームメイトと監督から罵声の嵐でした。

練習にさえ来ない選手からの文句には物凄く腹が立ちました。

色々と言い返したくもなりました。

ただ結果が全ての世界です。

極端な話ですが10回シュートを外しても1点決めてチームが勝てばヒーローです。

勝てば官軍負ければ賊軍でしかありません。

自分がどれだけの熱量を持ってフットボールをしていようが

どれだけ熱心に練習していようが結果でしか語ることは出来ません。






結局のところ「つもり」でしかないのでしょう。

自分にも意見があるように相手にも意見があります。

まずは聞くことに徹している「つもり」です。

リスペクトしている「つもり」です。

前チームで自分がしてしまった失敗もあるため

それを踏まえた上で冷静に自分の意見を伝えて

言葉の通じる選手経由で伝えてもらいもします。

勝つためと言えば聞こえは良いです。

正しいと思う自信がある時は

どう思われようが構わないというスタンスで自分の意見を言うこともあります。

ただそれでも改善がなされず結果にも繋がらない

同じエラーが起こり続けていて堂々巡り。



自分はどうプレーすれば良いのか

こんな時に自分はどうあるべきなのか



勝ちたい気持ちや上手くなりたい欲

もっと良いプレーをしたい欲

好きなことを追い求めて自分の意志で最前線に戻って来たのに

ポジティブな熱が冷めていくのを感じてなりません。

こんな風に考えることさえ傲慢なのは百も承知です。

こんな時に求められるものこそ人間性であり

情熱と我慢が必要だと分かってはいます。

ですが実際には理想と現実のギャップに苦しむ自分がいて

監督の指示を素直に聞き入れられない自分がいて

ダメだと分かっていながらも独りよがりな自分がいるのが現状です。





どれだけ目標に近付けているのだろうかと

上へ行くために残された時間でどれだけの結果を残すことが出来るだろうかと

他の選手達の活躍を知れば知るほど焦ってしまいます。

ここまで綴りましたがまだまだ自分の中にドロドロと渦巻くものがあり

上手く言葉に出来ません。

割り切ってしまえばいっそ楽になることでしょう。


割り切れること

受け入れられること


自分に最も不足しているもの。

年齢を重ねれば上手く向き合えるようになると思っていましたが実際はそうではありません。

このタフな期間をどう乗り越えられるか。

残り二ヶ月と少し。

ではまた。


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