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【読書レポ】「1982年生まれ、キム・ジヨン」-女性として生きること

「自分をとりまく社会の構造や慣習を振り返り、声を上げるきっかけになってくれればと願っています」
p172 「日本の読者の皆さんへ」

著者チョ・ナムジュさんのこの言葉で「私も何か声を上げたい」という衝動に駆られたので、久々にnoteを書いてみます。

女性として生きることの現実を突きつけられた気がしました。
「男女平等」とか「育休産休推進」とか言ってるけど、出産をするのは女性だし、重要なポジションについてもそれで穴があいてしまったら迷惑がかかる。だから、最初から女性には重要な役職を与えない。
制度があったって結局は権力者たちに都合のいいように動かされてしまうのが現実なんだなと思いました。

就活していて、自分のキャリアを思い描く上で浮かんだ疑問。
「転勤ありで結婚とかできるの?子どもできたらどうするの??」
んー、やっぱり会社辞めるとかうまく折り合いをつけなきゃ子育てできないのかあ、、と思ったりもして。

でもこの本を読み終えて冷静に考えたときに、自分も「女=育児」っていう固定観念にとらわれていたのだなと気づきました。
「女だから仕方ない、そういうもんだ」と思って生きていたら、知らないうちにどんどん選択肢が狭められていそうで、そうならないように気をつけよう、声を上げなきゃと思いました。

前は「結婚して子育てしたい」って当たり前のように考えていたけど、今は、「仕事もして、生涯ともに過ごしていけそうなパートナーを見つけて、両親が私にしてくれたように子どもに愛情を与えられるのか?」という疑念があります。両親が結婚して、そこから自分が生まれて、ここまで生きてこられたことが本当に尊いことなんだなと改めて感じました。

結婚しない幸せもあるのかもしれないと思ったり、でも周りが結婚してたらさみしくなりそうって思ったり、、。
これは永遠の悩みです(笑)

最後に、印象に残った部分を書き留めておきます。

印象的だった言葉たち

「…それに私が結婚するかどうか、子どもを産むかどうかどうかだってまだわかんないじゃない。ううん、その前に死ぬかもしれないのに。どうして、起きるかどうかもわからない未来のできごとに備えて、今やりたいこともやらずに生きなきゃいけないの?
p66
これは、子育てと両立しやすい教師になる道を勧める母に対して、
娘が反発した言葉。
「今を生きる」エネルギー私も大切にしたい。
「でも、誰もお母さんを良い人だなんて言わなかった…。」
p104
夫が家事や育児をすれば「良い人だ」と注目を浴びる。
逆に妻が働いてばかりいれば、
「あの人は家のことを何もやらないで」と批判される、、。
「子どもを産んだというだけで興味や才能まで制限された気持ちになってしまう。」
p157
娘を保育園に預けている間に何か講座を受けてキャリアにつなげようとするジヨン氏。
しかし昼間講座は趣味の教室や子どもを相手とする講師の資格講座しかない。
大学を出て新卒で働いても、出産しただけでそれまでがパーになってしまうのか。
「…私は1500ウォン(約150円)のコーヒー1杯も飲む資格がないの?…(中略)…死ぬほど痛い思いをして赤ちゃんを産んで、私の生活も、仕事も、夢も捨てて、自分の人生や私自身のことはほったらかしにして子どもを育てているのに。」
p159
娘との散歩の合間にコーヒーを飲んで休憩していたところ、サラリーマンに
「ママ虫(育児もろくにせず旦那の稼ぎで遊んでばかりいる
害虫のような母親という意味のスラング)」と言われたときのジヨン氏の言葉。
すべてのお母さんたちへのリスペクト忘れないようにしよう。
「女として生きること。それにともなう挫折、疲労、恐怖感。…(中略)…それらを当然のことのように受け入れてしまってはいけないのです。」
p171「日本の読者の皆さんへ」

女として生きることについて考えさせられた一冊でした。女性が働きやすい職場とか、制度ばかりあっても、多くの人の心や価値観が変わらなければ意味がないんだなと思います。

「女性だから」にかかわらず、目の前の理不尽なことに対して当然のことのように受け入れるのではなく、声を上げてアクションを起こすことを大切にしていきたいです。

note書くの久しぶりすぎて作文みたいな締めになってしまいました(笑)
大学ラストの1年、たくさん本読んでアウトプットしていきたい!!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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