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【番外編】FUGLEN COFFEE ROASTERS

番外編、今回の旅も終わりが近づいてきた、京都に帰る前に、登戸のフグレンでコーヒーを飲む、朝の一杯でもあるので、爽やかなやつがほしい、そんなことを呟きながら、バリスタがしてくれる豆の説明を聞いていた、会計を済ませ、カウンターで見ていると、抽出のレシピを教えてくれる、15グラムの豆に対して250グラムのお湯、はじめ10秒ほどかけて40グラム湯を注ぎ、30秒待ってから80グラムまで注ぎ、あとは湯の落ちる速度と入る速度を一定に保ちながら、250グラムまで注ぐ、使うドリッパーはウェーブ、

コーヒーは、ケニヤのガトンボヤ、きび砂糖のような甘さと、紅茶のようなテイスト、ラズベリーのような果実感もある、うまい、明るい酸味と甘さはもちろん、フレッシュでクリーンな味わい、これこそフグレンだ、一人で来たのは、ずいぶん久しぶりな気がする、ここへ来るときはいつも二人だった、だからここへ来たらさみしくなるかもしれないと思っていた、しかしそんなことはなかった、なぜだろう、あいつとはまた会える、そう思っているからだろうか、それとも、カウンター越しのバリスタとの会話が心地よいからだろうか、それがどちらであったとしても、コーヒーを通じた縁であることに変わりはないのだ、そう思うと、僕とコーヒーの縁もまた、ここまできたか、と感慨もひとしおである、とはいえ、まだまだ、長い旅の途中だ、ゆっくり行こう、誰にともなくそうつぶやき、黒いリュックを背負い直す、じゃあまた、僕が言う、あるいはバリスタが、また、そう言って翼を広げる、次の空の下で、また巡り合うために。


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