いつ誰が記すとも知れない創世記の中にはきっと、このような記述も含まれているだろう。
お洒落な気配がしますね……
最近はもっぱらオンラインでしたが、久しぶりにコーヒーショップで豆を買ってきました。カウンターから漂う珈琲の香りや歩き回る人々の話し声がほどよく響く店内は心地良く、小さな村の集会所といったおもむき。視界には珈琲豆のパッケージだけでなく、抽出器具やボトル入りのカフェオレ、奥の方にあるブックスペースまで、さまざまなものが同時に飛び込んできて、その中から心惹かれたものの前で立ち止まり、目を留めたり、匂いを嗅いだりしている時間は時間さえ忘れて、というよりもっと純粋に世界にまだ、時間というものが存在しなかったころのように、豊穣なカオスの中から自分だけのコスモスを編み出していくときの、あの心躍る感覚に満たされていたのでした。
その感覚は僕に、オンラインというものがまだ存在しなかった頃の世界の記憶を呼び起こし、ああ、やっぱりものを買うとか、あるいはもっと広い意味で何かを選ぶとか、そういうことの楽しさや途方もなさをさえ、思い出させてくれたのです。
訪れたのは軽井沢ハルニレテラス、
丸山珈琲店。
発祥の地の「聖地」感にあてられてか、僕が抱いた感想も、このようにいささか神話的な記述として実を結んだ、という気がします。
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