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The missing All, prevented Me ——すべてを見失うことで

The missing All, prevented Me
From missing minor Things.
If nothing larger than a World’s
Departure from a Hinge
Or Sun’s Extinction, be observed
‘Twas not so large that I
Could lift my Forehead from my work
For Curiosity.

すべてを見失うことで
小さなことを見失わずに済んだ。
世界がひとつ、蝶番から外れて飛び立つとか、
太陽が消滅するとか、
それ以上のことが観測されないかぎり、
私にとっては大したことではなく、
私は好奇心に駆られて、
自分の仕事から頭をあげることはなかった。


昨年引っ越してきてからというもの、
日々迷走を重ねてここまでやってきましたが、
まだまだ京都には馴染めていない感じがします。

でも最近は、まあそれでもいいかと思っています。
別に、京都に馴染めなくてもいい。

ここには色んなものや歴史があって、
興味のある人にとっては天国のような場所かもしれない。

しかし、それらの一つ一つにいちいち反応していたら、
全然前へ進めない場所でもあります。

これほど観光のさかんな場所には今まで住んだことがなかったので、
いつの間にか圧倒され、
僕も観光客のような心持ちになっていたのかもしれない。

でも、僕はここに観光をしにきたわけではなかった。

コーヒー屋で働きながら学ぶこと、
あとは、文章を読んだり書いたりすること。

ここに何があって、
どんなことが可能だとしても、
僕がやりたい、
そしてやるべきなのは結局この二つしかないんですよね。

そんなことを、
一年かけて痛感しました。

見出すばかりでなく、
見失うものがあったからこそ、
気付けたことだと思います。

今ここで必要なのは、
ディキンソンのこの詩であり、
自分の仕事から頭をあげないこと。

世界から、目を逸らすことだと。

それが、鈍感になるということではなく、
厳格に、
自分が、強くなっていくことだと信じて。

これからもやっていきます。


『THE COMPLETE POEMS OF EMILY DICKINSON』
THOMAS H . JOHNSON, EDITOR

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