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トラウマフラッシュバック(詩)

あの日脳に刻まれた光景が
いつまでも
どこまでも


ぼくは逃げ場がない
追い詰められ無理やり見せつけられる
映像と蘇る感情


ぼくの頭の中
自動再生機能壊れてるみたいだ


ぼくが許していないのに
勝手にランダム再生してる


停止ボタンが見つからなくて
今と繋がらない時間を遡る


それは脳内タイムマシン
感情が剥き出しになり
抱えきれない記憶

荒く縫い合わさった傷口から
また血が噴き出す


幼い頃に見た悪夢さえ
思い出したくもないのに
繰り返し繰り返すエンドレス

割れる大地
倒壊するビル
逃げ惑う人々
置き去りにされ繋がれたペット

昨日まで住んでいた部屋
爺ちゃの形見の本棚と勉強机
綺麗に半分削られた家の中僕の部屋
見てしまったんだ


思い出になれなくて
ありありと浮かぶ部屋の詳細
ベゴニアで溢れたベランダ
あの臭い大嫌いだと今日も思ってる

柱の数字背の高さ壁のシミさえも
古いソファの軋み
高熱で足がだるくて
ソファの背に両足を乗せている
肌についたカバーの跡さえも
何もかも自動再生

あの日脳に刻まれた光景が
いつまでも
どこまでも

こびり付いて落ちない汚れ



ナナメに抱えられ2階へ連れていかれる
叫んでももがいても無力な自分

頭から落とされるかもしれないし
屈辱に耐え恐怖に怯える
自尊心は消し飛んだ

部屋に閉じ込められ
柱に縛られ
外に追い出され
恐怖でしつけられる無力で懲りない子供

確かにぼくが悪い事をしたから
いけないのだ   
ぼくが悪い子だから
悪い子供には罰が与えられるしきたり
お父さんもお母さんも悪くない
これはしつけなのだから

それは脳内タイムマシン
感情が剥き出しになり


荒く縫い合わさった傷口から
また血が噴き出す

思い出にさえならなくて
なら捨てられたらどんなにか楽なのに


よく知らない人に乗せられた車
消臭剤の香り  音楽   話し声   吐き気
その人だけ楽しそうにしている
狭い空間これは軟禁?これは誘拐?
機嫌を損ねたらどこか知らない土地で
殺されるかもしれない

知らない田舎町   小洒落たレストラン
声にならない助けて
無理やり笑顔を作り食事をする

知っている街に戻ってきた
無事に降ろされた後
日常に戻る振りをしながら
時折車が後を付いてきて
見張られているのを知る


あの日脳に刻まれた光景が
いつまでも
どこまでも

こびり付いて落ちない汚れ

楽しい出来事だって
その何百倍もあったはずなのに
再生されるのは思い出したくない過去

心がまた血を流す







公的サポートは受けられるほど重病でないものの、フルお勤め仕事ができない半病人の身、サポートしていただけるとマジでありがたいです。