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海外ボランティアに行って人生滅茶苦茶になった話


タイトルの通り、私は大学卒業後、東南アジアへ海外ボランティアとして一年間、日本文化普及に関わる仕事を行っていた。

新卒カードを捨てて、大学の卒業式にも出ず、一般的な企業就職をせず、私は卒業後すぐ東南アジアへ向かった。

就活をしていないといえばウソになる。むしろ中途半端な気持ちでいくつもエントリーしては、面接で落ち、お祈りメールが届いた瞬間を思い出すと今でも心がぎゅっとするくらいだ。

会社勤めは向いていないのではないかと思い、大学院の進学を考えた。地域研究や色々な専攻を考え、入試のための勉強をしていた。

その時偶然ネットで見つけたのが海外ボランティアの募集だった。

猪突猛進の私は、その応募を見つけた瞬間、何の考えも無く応募のための書類を準備していた。

ただ、なんのしがらみもなく自分がしたい、やりたいと思ったのが海外ボアランティアだった。

東南アジアはとても好きな地域だった。特に小学生の時に見たタイの映画「フェーンチャン」に影響され、いつかタイの田舎で暮らしてみたいというのが私の人生の大きな夢でもあった。

私は運よくタイの田舎町ででのボランティアとして活動に参加することとなった。

勢いで飛び込んだボランティア活動。

これが大成功のボランティア活動だった。

ボランティア活動で大成功という言葉を使うの違う気もするし、違和感があるがここでは使わせてほしい。

活動地域の人間関係、環境、全てが良かったし、非常に手厚くサポートしてくださったおかげで、密度の濃い時間が送れた。

日本人を代表して日本文化を伝えていくという使命感の下に行う様々な活動や、初めて見る興味深い文化や体験などの異文化交流、

現地の人々からのフィードバックも良かった。

自分の今まで欠如していた自尊心や、自分を大切にするということ、自分はここまでできるんだ!という自己肯定感が現地にいる時は心いっぱいに満たされていた。

タイでの活動は言葉にするには難しいほどの満たされた日々であった。勿論全てが良かったわけじゃないし、苦しいこともあった。でもその苦しいことも頑張って乗り切ろう!と思えるくらい、日々は満たされていた。

今までは、もうこの世から消え去りたいと思うこともある日々の中で、そんな雑念が一度も芽生えないような日々を送っていた。


タイの田舎で一生懸命になれる自分が好きだった。


任期を終えて帰国する時も私は1週間以上涙が止まらず、飛行機を乗り継いで帰る時には、まるで魂が現地に置き忘れられたかのような抜け殻状態だった。

帰国後の事も考えることが出来ない多忙な日々を過ごしていたこともあり、帰国半年くらいはゆっくり過ごしていた。だが帰国後の事なんてほぼ考えれていなかった私はどんどん堕ちていくこととなる。

日本に帰ってからは、何か物足りない、何か満たされない、心が萎れていく日々が続いた。

自分が人生で成し遂げたかったタイの田舎で済むという夢を叶え、そこでボランティア活動も成功に終えて、私は完全に人生の目的を失っていた。

帰国後、一般企業に就職した。一社目の会社はタイに関わる仕事で出張でタイにも頻繁に訪れた。だけど淡々と来る日も来る日も同じことを繰り返していかなければならない未来に絶望し、半年で退職した。

自分の不甲斐なさ、何もできない自分、続かない自分。インスタを見たら大手企業でバリバリ働く同級生たち。羨ましかった。そして自分を卑下する日々が始まった。

何より不甲斐無くて、親に申し訳なかった。どうして自分は何もできないんだろう。タイにいる時は何であんなにポジティブに活動できてたのにと自問自答する日々。

縄を持ってドアノブに立った時もあった。

身内の不幸など色々なことが重なって、どうしようもなくて精神科に駆け込んでみると、涙が止まらなくて、

そんな私を迎えに来た両親をみて更に不甲斐無くて泣いた。

診断は躁鬱だった。

病院に行って自己分析してみるとなんだか落ち着いて(どういうこっちゃ)

新たに転職活動もするようになった。そしてやはりそこの会社も1年も続かなかった。

仕事を探すために転職エージェントに登録して、エージェントの方と喋っているときに言われた言葉がある。

「そんなタイにいた時みたいな刺激的なことなんてできませんよ」

私はいつまでもタイの思い出を引きずっている。前に進もうとして結局何も成し遂げられず後退し、再び私はニートの生活に落ちてしまった。

これからの人生であれだけの体験の日々を過ごすことが出来るのだろうか。

当たり前だが海外ボランティアが悪いわけではない。結局全てはいつまでも過去をひきずり続けている自分に非があるし、

あの時はよかったのに→今はなんでこんなに何もできない、自分が不甲斐無いといったループから今日も今日とて抜け出せずにいる。

何をしたいのかも分からないまま、そして気軽に海外へ渡航もできない今、

日々時間だけがすぎていく虚空の中に私は今いる。











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