じぶんのはなし。

私は大抵の事は、諦めてきた。

『あの子より上手く出来ないから』
『私みたいな軽い好きでここまで来たやつが、本気で好きって言っちゃいけない』
『あの子に負けた気になる前に辞めよう』

私の中では負の連鎖だった。

小さい頃に、水泳と新体操とバレーボールを習っていた。
最初は、どの習い事も好きで好きで仕方なかった。

私は【努力】というものをしたことが無い。
生まれつき才能を持ってるやつに、努力型が勝てっこないって決めつけているから。

案の定、努力もしない、日々の練習をこなすだけの私は、周りに置いていかれた。
周りの子はみんな努力して、上手くなって行った。
それを私は『才能がある子』と勝手に決めつけ、全て見なかったことにした。
徐々に、習い事が嫌いになっていった。

その結果が、
『あの子の方がうまいから』
『負けた気がする』
などの負け惜しみとなって、私の【努力】の壺に大きな蓋をしていた。

いや、これもまた、言い訳に過ぎないのかもしれない。

正直、心のどこかで勝てっこない、以上に努力をする人間に対してどこか『ダサい』と思っているのかもしれない。

今、「好きなことはあるか」と問われれば、

『歌が好きだ』

と答える。
しかし、私の周りには歌が上手い人、弾き語りができる人、ましてやテレビには歌手がいる。

果たして私のこの好きはどの程度の好きなのだろうか。

歌手のように歌うことでご飯を食べていくのとは違い、
カラオケで歌えば周りがお世辞も含めだろうが、多少なりとも「上手だね。」と褒めてくれる。
それを私は鵜呑みにしているが、その言葉を発した人にしか、本当の気持ちはわからないものであるから、
本心で言ってくれてるのか……
と深く考えると、どんどん歌が嫌いになっていく。
ましてや、知り合いが「歌上手いんだね!」と他の人に褒められている現場を見ると余計に嫌いになる。
私だって上手くなりたい。
けどこの人には勝てっこない。だって今、私は誰からも認められていないから。

そんな捻くれ者の私はきっと
これからもいろんなものを嫌いになっていくだろう。

しかし、努力はしないままだと思う。

人生で夢中になれる好きなことの一つくらい、はやく見つけたい。

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