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それは反則だろ

これは昨日の僕の話。

深夜2時過ぎ。
そろそろ寝なければ、と電気を全て消しベッドに入って暫くした頃。

ぱきん、ぱきん。
天井付近から音がした。

パン!
次は床の方から音がした。

いわゆるラップ音だとハッとする頃には数秒に一度の間隔でパキン、バキッ、パン!コンコン!と空間内のあらゆる場所から音がする。

コンコンコンとフローリングの床を叩く音も混じるのだが、指先でコンコンとやった時と同じ音というのがタチ悪い。

純粋に“怖い”。

「ああ、もう寝られない……というか、あまりにも怖い……」

僕はたまらず布団を頭からかぶる事にして、スマートフォンは一旦画面を落とした。

さっさと寝てしまおう……音は気にしないでおこう……怖い……パキンパキン音がする……変な足音も混ざっている気がする……嫌だな……嫌だな……。

でもまぁ、布団被っちゃったしそこまで家鳴りも気にならないな……これならまぁ……、まあ……。

……とんとんとんとんトントントントンドンドンドン!!!!!!!!!!

自分がすっぽりかぶっている布団の中の空間に、フローリングを走る足音が響いた。
絶叫は根性でうまいこと飲み込んだが跳ね起きた勢いで壁に腕をしこたま打ち付けた。今も痛い。

……結局、一睡もできなかった。

今日は何もありませんように、ととりあえずお祈りをしてから部屋に戻る予定である。

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