マガジンのカバー画像

【隙間怪談-2-】

100
怪談101〜200本まで。
運営しているクリエイター

#恐い話

見つけて欲しかったのかなあ

見つけて欲しかったのかなあ

松田くんはコンビニの深夜アルバイトで働いでいる。

時間としては夜の10時から朝の4時まで。
たまに6時まで入ったりするがそれは稀な事だ。

コンビニの場所は国道沿い。
自宅のある住宅街から少し歩いて国道に出ると、そこにコンビニがポツンと立っている。
そこまで凄く流行っているというわけでもない。国道沿いである、という理由だけで保っているというそんな店舗である。

松田君はそのコンビニで週に5日、深

もっとみる
色継ぎ

色継ぎ

「僕ね、産まれてずっと色がわからなかったんだ」

安古(あこ)さんは生まれつき重度の色盲だった。
色盲というのには種類があり、型が違う事がある。
安古さんの症状は全色覚異常と呼ばれる非常に珍しい症状で、完全に世界が灰色に見えていた。

モノクロの世界が安古さんにとっては平常で、子供の頃から慣れ親しんでいた光景だった。
色覚異常だとわかったのは幼稚園の時。
クレヨンの色がさっぱりわからず泣いた事がき

もっとみる