煮汁

成人している腐女子

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成人している腐女子

最近の記事

何があるわけでもない/妹

noteに登録して3年が経ったらしい。らしい、というのも、特筆すべきことがない、起伏の少ない人生を歩むようつとめている私には更新すべき記事もなにもあったものではなく、故にnoteに触れる機会もとんと無い。そういうわけでまるで他人ごとのように「らしい」などと宣うのだ。 とはいえこうして新しくなったエディタを気まぐれで開いたので何か書いておく。 最終更新は学生時代に思い出に残っている先生たちについての記事。もちろんその当時からも、記事にした1年前からも私は相変わらず前述の通り

    • パキラの木と金魚

      #忘れられない先生 というタグを見て、私は2人の先生の顔をすぐに思い出した。残念ながら名前を覚えていないが、それは瑣末ごとである。仮に2人をA先生、B先生と呼ぶ。 A先生は私が中学2年生の時に臨時でやって来た国語の先生だ。背は低く小柄で健康的な小麦色をした先生は、笑うと目尻の皺が寄って可愛らしい人だった。生徒が笑えば自分も笑い、問題を起こせば本気で怒るけど、叱るだけではなく同じ量の愛情を与えてくれる人だった。私はA先生を少しずつ良い先生であり、「良い大人」だとも思った。

      • むかし話

        9月ももう折り返しを過ぎた。 およそ10年前の9月のまさしく今頃、私は福岡のとある片田舎にいた。 就職してから初期の教育を終えて整備士となるため福岡の学校に移った。給料をもらいながら勉強ができるとあって私はとても嬉しかった。宿舎もあり、食と住に関してはなんら不自由なく過ごした。 学生という扱いになるので仕事も残業もない。テストさえ合格して、規則さえ守ればそれで良いのだった。 さて、1週間の勉強を終えたとある金曜日。私は宿舎を出てすぐの通りにある飲み屋さんでご飯など頂いて

        • オンリー欠席を決めたオタク

          自分の決断で出した答えだが、タイトルの通り推しCPのオンリーを欠席することにした。理由は残すまでもないがコロナウイルスの感染リスクを感じた為だ。 推しCPのオンリーといえばそれはもう私にとっては祝祭、ハレの日、慶事、まさしくイベントである。 地を這ってでも参加しなくてはもはや気が済まない。 オンリーのために働いているような私はもしオタクにもならずオンリーも知らない人生だとしたら、と考えると寒気さえするし、まともに働くこともしなかっただろう。 会場はインテックス大阪だ。 北

        何があるわけでもない/妹

          オンリー、決まる

          推しCPのオンリーが決まった。 私はどこにでもいる普通の腐女子だ。 二次元の推しキャラ2人を結びつけることに始まり、2人の間に起きるありもしない騒動や心の移ろいを妄想しては泣いたり笑ったりして日々を過ごしている。書き起こすと頭がおかしいように読めるが全く以って真剣である。 私の場合、時には絵を描くことで推しCPへのパッションを解き放ってみたり、公式から下賜される推しキャラが印刷されたグッズやフィギュアなどを買って飾ってはニヤつくなどもしている。どこにでもいるオタク女である。

          オンリー、決まる

          煮汁の推薦図書①本屋さんのダイアナ

          2019年、年明けの少し後の冬の日、私は本屋で一冊の本の帯に大変惹きつけられた。 【すべての女子を全力肯定!】とあるその帯がついた本の名は「本屋さんのダイアナ」(柚木麻子 著・新潮文庫)だ。 私は滅多なことでは帯の文句には惹かれることがない大変な天邪鬼であるので、自分でも驚いた。 表紙が可愛いのもあったかもしれない。手書き風のイラストで、色彩がまとまっていて良い。描かれているモチーフも可愛らしくて素敵だ。読了後にその表紙に描かれている絵の意味や、サブタイトルのように書かれてい

          煮汁の推薦図書①本屋さんのダイアナ

          9月6日とその後のこと ③

          9月7日夜。 市から職員の人がきた。 学校の備蓄のスープ缶を晩御飯にするため、鍋の番をしていたら、職員の人が給食用の大きな容れ物に、いろんなおかずや白米を届けてくれた。2日ぶりの温かいお米。ふりかけまで頂いた。 ネットにつながる頻度が増えてきたので発電機がまだ使えるうちに必要な分だけ充電をし、情報収集を続けた。 北海道全体の被害状況、電気の復旧までの時間をメインに調べた。どうやら、地震から2日目の7日夜10時から復旧率が上がるらしく、その中に入っていればよいなぁと思った。

          9月6日とその後のこと ③

          9月6日とその後のこと ②

          余震が繰り返す中、私は9月7日を迎えた。 メモによると5:30には朝目が覚めた。普段は全く寝汚いのでよほど堪えたのだろう。 地震から今までが夢ではないだろうかと何度思ったことか。夢であって欲しかったし、夢なら早く覚めて欲しかった。 学校からお借りしているラジオからニュースが流れてくるのでそれを聴いた。 電気の復旧は少しずつ進んでいるらしかった。 やはりやることがない為、校舎内で歩いて回れるところを見せてもらうことにした。 生徒たちが書いた習字の作品や絵が展示されている。描

          9月6日とその後のこと ②

          9月6日とその後のこと①

          もうすぐ9月6日がくる。 北海道胆振東部地震が起きた日だ。 もう1年が過ぎてしまう。当時のことを、日々残したメモと記憶を元にここにも残すことにする。 6日 午前3時9分頃 突然の大きな揺れ。 あまりに大きく揺れるため、普段は地震が来ても寝ている私もさすがに跳ね起きた。 発生当時私は自室におり眠っていたのだけど、部屋を巨人に掴まれて縦横にユサユサと振り回されているように感じた。 とても恐ろしく、数秒間は身動きが取れなかった。呼吸がどんどん浅くなり、本当に死を覚悟した。私はこ

          9月6日とその後のこと①

          煮汁の0714イベント覚書⑥〜総括〜

          そういう訳で、約4年ぶりとなった同人誌即売会の覚書は終わる。 全体としては大きなトラブルもなく、飛行機やバスの遅延も無く、平和に終わることができた。必ず何か一つは旅先で忘れ物をしてくる私にしては、置き忘れもなく全てを持ち帰ってくることができた。 大まかに見れば良いサークル参加になったのではないかと思う。また次もそうありたい。 最後に、イベントとイベントに関係した諸々について今後はやったほうがいいこと、もしくは要らなかったことを残しておく。 【今後はやったほうがいいこと 製

          煮汁の0714イベント覚書⑥〜総括〜

          煮汁の0714イベント覚書⑤〜戦地②〜

          この記事と前の記事のタイトルには戦地という言葉を使っている。そして前の記事でも述べたように同人誌即売会は静かなる戦地だ。 ①では私も弱いながらも兵として会場内でスペースを回り買い物をしたことを書いた。サークル参加をした私は、当然ながらサークル主として本を頒布することもした。 今回は頒布する側として覚書を記す。 一般参加者の入場と同時に私もいそいそと色々なサークルさんのスペースを回り、新刊既刊共に買わせて頂いた。かけた時間は40〜50分ほどで、1時間以内には終わらせたかった

          煮汁の0714イベント覚書⑤〜戦地②〜

          煮汁の0714イベント覚書④〜戦地①〜

          同人誌即売会、それは兵器も武器も持たないつわもの達の静かな戦いである。 ジャンルの神作家がその手で自ら作られた推しCPの二次創作を拝むことができる聖典を得る最初のチャンスである。そこには普段の馴れ合いも親しみも一切不要であり、泣いても笑っても自己責任だ。 私は普段同人誌は通販か同人誌販売店で購入している。しかし今回このイベントに参加して、一般参加する人々の熱意がいかほどであるかを、自らもスペースを回って神々の新刊を買わせてもらうことで感じ取ることができた。 通販では絶対に

          煮汁の0714イベント覚書④〜戦地①〜

          煮汁の0714イベント覚書③〜いざ本番、スペース設営編〜

          イベント当日。この日、人権を得るために散々徹夜をし、寝落ち、そしてまた起きては原稿を進め、時に「なぜこのジャンルにハマってしまったのか。ハマった時の私をめちゃくちゃに呪ってやる…」と、ジャンルや推しへの愛が憎悪になりかけるなどした (※作品や推しは全く悪くない。悪いのは全て私1人であり自業自得というやつだぞ)が、どうにか成し遂げ会場へ足を踏み入れることができた。 4年ぶりの国際展示場。正直申し上げると、4年前に来た記憶がほとんど無い。こんなところだったっけ?展示場前のローソ

          煮汁の0714イベント覚書③〜いざ本番、スペース設営編〜

          最近のこと

          9月の末に同期の結婚披露宴に呼ばれた。実に10年ぶりに会う同期生だ。人生の晴れ舞台に、私のような者でも呼んでもらえるのは実に光栄なことで嬉しい。 10年経った彼女はどんな風になっただろうか。 私の中で彼女は全くの少女で、よくコロコロと笑う子、明るくて元気だけれど実は1人が苦手で寂しがり屋な子、お笑いやライブが大好きな子、目標のために本当に努力ができる子だ。 学生の頃、親に「友達の家に泊まりに行く」とだけ告げて、彼女の地元の佐賀県から東京まで好きなバンドのコンサートに行っ

          最近のこと

          煮汁の0714イベント覚書② 〜耳がもげそうになる〜

          久しぶりに乗った飛行機は窓側の席で、隣には誰も座っていなかった。隣に人がいないというだけで快適である。 天気はあいにくと曇りだが、グングンと空へ近づき地上から離れてゆく飛行機が、雲の上を突き抜けると真っ青に晴れた空があった。曇りの日でも雲のその上は晴れているというのは本当なのだと私は空を眺めつつ思っていた。 あと、機内で流れる安全マニュアルの動画というのも新しく作り直されていると今回初めて知った。 海外からの観光客にも見てもらえるようにという意図があるのか、英語の翻訳付

          煮汁の0714イベント覚書② 〜耳がもげそうになる〜

          煮汁の0714イベント覚書① 〜荷造りやら準備やら〜

          イベントについて未来の私のためにも覚書を綴ることにする。未来の私は参考にするといいと思う。 まずイベントの前々日が休みだったので、その日のうちに必要になるものを買い足し、髪を切りそろえ、私のこの酒樽のような体型が隠れる服を買った。久々に自己投資をしたのでおかしな気持ちだった。この服を買うお金でどれだけの戦利品が買えるかと考えただけで少し悲しくなった。オタクとはそういう思考を持つものなのだ。 しかしながらやはり身なりを整えるための時間と金はあってよかったと振り返って思う。推

          煮汁の0714イベント覚書① 〜荷造りやら準備やら〜