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私とハリネズミの妄想ランデブー

ハリネズミが好きだ。
ペットとして人気どころの、犬や猫に匹敵するレベルで、ハリネズミは可愛いと思う。

ふと「飼ってみたい」と思った。
軽い気持ちで、インターネットを開き、「ハリネズミ 飼う」で検索をした。
すると、衝撃の事実を目の当たりにした。

ハリネズミの寿命は、平均3年。
一緒にいられる時間は、3年。

私は、自分がハリネズミと一緒に暮らす3年間を、妄想してみた。



ある日、私がペットショップへ足を運ぶと、偶然目が合った、一匹のハリネズミ。
私は、「この子だ」と運命を感じる。

彼を連れて、一緒に家に帰る道中、これからの楽しい生活を思い描き、私は胸を踊らせる。

しかし、最初は、思うように心を開いてくれないだろう。
でも、毎日世話を続けるうちに、彼はだんだんと、私に心を許してくれるはずだ。

そしたら、きっと、その可愛さを誰かと共有したくて、彼の写真をTwitterにアップしたり、彼専用のInstagramアカウントなんかを開設するのだ。

たくさん、彼の写真を撮ろう。
楽しい時間を、彼と一緒に、たくさん積み重ねていこう。



相棒と呼べるぐらい、仲良くなったある日、ふと、異変に気づく。
なんだか、彼の元気がない。
大好きなエサにも口をつけず、ぐったりとしている。
私は、慌てて彼を病院に連れて行ったが、「もう長くはない」という現実を突き付けられただけだった。
無情にも、だんだんと、お別れの時は近付いていた。



そして、その日は突然やってきた。
いつものように、私は朝起きてから、すぐに彼の寝床へ向かった。
すると、もう既に、息も絶え絶えな彼。
私は優しく彼を抱きかかえ、何度も彼の名前を叫んだ。

しかし、私はわかっていた。
きっと、彼もわかっていたのだろう。
一緒にいられる時間は、あとわずかしかない。

最後に彼にかける言葉は、もう決まっていた。
私は、震える声で、「今までありがとう」と言った。
すると彼は、一瞬だけ、私に微笑んだような顔を見せた。
そして、静かに息を引き取った。



ここまで妄想したところで、私は目頭が熱くなった。
やっぱり、ハリネズミを飼うのはやめようと思った。

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