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医療保険とがん保険の違いは?がん保険を選ぶ時に大切なことは3つのポイント。

あなたや家族にとって、なりたくないのはどんな病気でしょうか。また、大病と言われて想像する病気は何でしょうか。多くの人が、「がん」と答えると思います。

日本では「がん」を発症する人は2人に1人、亡くなる人は3人に1人と言われています。この罹患率や死亡率の高さから、病名が保険の名前になっているがん保険が存在します。今日は、病気や入院に供える医療保険と「がん」に特化して備えるがん保険について見ていきましょう。

医療保険とは


医療保険とは、病気やけがによる入院・手術に対する保障です。

入院給付金は入院した日数に応じて、あらかじめ設定した金額が支払われる商品です。保険会社により異なりますが、3,000円~20,000円/日まで選べます。また、一つの入院に対しての支給日数としては、30日・60日・90日・120日と保険会社の商品によって異なっています。

もちろん、この中には「がん」も含まれます。
しかし、人が入院する確率と「がん」で入院する確率を比べると、人が入院する確率の方が断然高いです。

そのため、「がん」になった場合の手厚い保障をそのまま医療保険で賄おうとすると、保険料が高額になってしまいます。保険料を抑えた上で「がん」への備えを手厚くするため、医療保険にがん特約という名前で、50万円~の一時金を付加して、「がん」への備えを手厚くします

がん保険とは


がん保険はその名の通り、「がん」になった場合に給付金を受け取ることのできる保険です。受け取り方は入院日額または一時金となります。入院日額の場合は入院日数無制限に受け取れる場合が大半です。(保険会社によって異なる場合があります。)一時金に関しては「がん」になったら1回のみ受け取れるものや所定の期間の空いた「がん」に関して最高10回まで受け取れるものがあります。

また、「がん」には粘膜まで浸潤していない「上皮内新生物(赤ちゃんがん)」と「悪性新生物(真皮がん)」があり、「上皮内新生物」が支払い対象になっているか、「悪性新生物」と給付額が変わるかなども注意が必要です。

医療保険のがん特約とがん保険どちらがよいのか

「がん」に備えるためには、医療保険のがん特約とがん保険、どちらが良いのでしょうか。「がん」に備えるという意味ではどちらも同じです。焦点となるのは、どのような場合にどのくらい備えたいかです。

一般的にはがん保険の方ががん特約より一時金が多い傾向にあります。また、がん保険では、放射線治療や抗がん剤治療などの特定の治療を受ける場合に給付金が出るような細かい特約を付加することが可能です。

一方で、がん保険は「がん」の時のみ給付金が出るので、他の病気の際には給付金が出ません。例えば医療保険、がん保険共に先進医療特約という、高額な医療(先進医療)を受けた場合の技術料を保障される特約があります。がん保険の先進医療特約は「がん」の先進医療にしか給付金が出ないことをご注意ください。

「がん」を取り巻く様々な治療法にしっかり備えるにはがん保険の方が良いでしょう。しかし、お金が必要な病気は「がん」だけではないので、負担できる保険料やどのような場合を優先して備えたいかによって、医療保険にがん特約、または医療保険とがん保険か決めていただくことが重要です。

がん治療の現状と保険加入時の注意点


皆さんは「がん」で入院と聞くと、平均何日くらいだと思いますか。冒頭に書きましたが、「がん」になる人は2人に1人と大変罹患率が高いです。そのため目まぐるしいスピードで薬や治療法が開発されています。「がん」というと長期入院のイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

まずはがん治療の現状を知り、日本の医療に合った保険を選ぶことが重要です。「がん」の備えを選ぶ上で注意するべき点が3点あります。

注意点1:「がん」の平均入院日数


現在のがん入院期間は平均約3週間ほどです。想像より短いと思われた方も多いと思います。「がん」は長期入院が大半だと思っていらっしゃる方と、この事実を知っている方では選ばれるがん保険は変わってくると思います。
もちろん、「がん」の種類や見つかった時の「がん」の大きさなどによっては、半年や一年という長い闘病生活が必要となる場合もあります。

がん入院日数が短期化している一方で、長期の入院もあるという、この二軸をしっかりと把握しておく必要となります。

注意点2:「がん」通院の割合

次に注意いただきたいのは、がん治療患者が通院と入院どちらで治療されているかです。現在の日本では、がん患者の約9割が通院治療をしています。
皆さんはQOLという言葉をご存知でしょうか。Quality of Lifeの略で、現在のがん治療では、いかに日常の生活を送りながら治療できるかに焦点が当たっています。そのため、通院で治療を行い、それ以外の時は仕事をしたり、家で日常を過ごされたりする方が増えています。

以前は入院治療しか選択のできなかった、抗がん剤治療も週に決まった時間に通院で投与が可能となっています。

しかし、医療保険の基本は入院日額です。前述の通り、通院の多いがん治療には通院で給付が出るような保険に入ることも検討が必要となります。

注意点3:「がん」の種類

最後にがん保険の内容でも触れましたが、「がん」の種類です。

その前に、がんはご自身の細胞から作られていることはご存知ですか。がんは、私たちの細胞が突然変異をして生み出されます。分かりやすい言い方をすれば、細胞が増える時に故障してしまったものが、「がん」となるのです。

「がん」は進行してこないと痛みや不調が出てきにくいため、がん患者が自分から病院に行こうと思った時には転移していたり、余命僅かとなってしまっていたりすることが多い怖い病気です。そのため、不調がなくても定期的にがん検診を行うことで、まだ小さい「がん」を発見し治療することが重要となります。

定期的ながん検診を行うようになった今では、色々な段階の「がん」が見つかるようになりました。

保険で補償される「がん」は大きく分けて2種類あります。それが「上皮内新生物」と「悪性新生物」と呼ばれるものです。

上皮内新生物とは
「がん」の赤ちゃんとも呼ばれ、粘膜より上に留まっている「がん」
です。自覚症状はなく、他の臓器などへの転移の確率も少なく、切除によって除去できることが多いです。

悪性新生物とは
粘膜に浸潤してしまっているがん
で、深い層まで「がん」が進行してしまっています。転移の可能性もあります。

保険会社の商品によっては、「悪性新生物」にしか適応されないがん保険や、「上皮内新生物」の場合は給付金額が減額されるような商品もあります。現在は、「上皮内新生物」発見されることも多いため、この点も確認をすることが重要です。

定期型と終身型

医療保険と、がん保険、どちらにも関わってくる問題として定期型・終身型のどちらの保険に加入するかという問題があります。定期型と更新型のメリット・デメリットは以下の通りです。

定期型

メリット
・終身型に比べると、保険料が割安である。
・定期的に更新を迎えるため、その都度、新しい保険への見直しができる
デメリット
・更新のたびに保険料が高くなる
・80歳まで更新可能など、期限がある

終身型

メリット
・一生涯保障が続く。
・加入時と同じ保険料を払うことで、保障を受け続けられる。
デメリット
・若いうちは保険料が割高になってしまう。
・見直しするタイミングを失ってしまう可能性がある。
・何十年経っても保障内容が変わらないため、新しい保険が出た場合別に入らないといけない可能性がある。その時点の健康状態によっては新しい保険には入れないこともある。

保険に加入できるかどうかは、加入時の健康状態に左右されます。保険の中でも、医療保険は特に見直しの必要性がある保険です。なぜなら、取り巻く社会情勢や医療の現状は刻一刻と変化しているからです。

また、当然ながら保険を使用する確率(給付金を受け取る確率)は年齢を追うごとに高くなります。

以上のようなことを念頭に置き、ご自身に合う保険の型を選んでください。

まとめ

医療保険と、がん保険の違い、「がん」を取り巻く現状についてイメージは付きましたか。2人に1人がなると言われる罹患率の高い「がん」だからこそ、研究は進んでいます。こうしてすごく日常でも新薬は開発され、最先端の治療法が編み出されていっているのです。

「がん」を取り巻く日本の医療の現状を考え、自分の考えにあった「がん」の備えを見つけてください




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