飛行機と言葉

飛行機に乗ると、いつも思い出す言葉がある。

乗り物に酔いやすく乗り物に乗るといつも体調不良になっていた先輩がいっていた

「飛行機は離陸の瞬間をうまく過ごすと絶対に酔わない」

という言葉と、やんちゃで小さな物事に動じない同僚が言っていた

「離陸する時に全地球のGを感じるのが好き」

という言葉。

毎回飛行機に乗るたびに思い出す。

私も昔乗り物に酔いやすく、飛行機に慣れていない頃、先輩の言葉にすごく救われた。

実際離陸の瞬間に先輩がどんな風にうまく過ごすのかは聞かなかったから、「よし、うまく離陸したからもうゆっくりしても大丈夫！！」っていう本当にお守りみたいな言葉。

その言葉と同僚のヘンテコな中二病みたいな言葉。

離陸する瞬間、私みたいに一喜一憂、ドキドキしている人がいる傍らでこんな能天気な事考えている人もいるんだって思ったら飛行機に乗るという行為のハードルがすごく下がった。

この２人が今はどこで何しているかはわからないけど、私は未だに飛行機に乗るたびにこの2人を思い出す。たぶん一生思い出すんだと思う。この２人は私にこんな事を言ったなんて覚えてもいないんだろうな。

無意識に発した言葉が一生誰かの記憶に留って、記憶の片隅から顔を出す。

そんな事を意識しながら、あわよくばいいシーンで思い出してもらえるような素敵な言葉を使っていきたいなと思いました。