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敵がいない国

12月13日に始まったツアー「敵がいない国」のレポです。ネタバレがNGな人、ご自身でいろいろ考えたい方は以下の記事に入国禁止です。

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先週KREVAのライブに行った。KREVAはKICK THE CAN CREWの時代から好き。私の大学時代はKREVAの音色と国民的行事とイッサイガッサイで成り立っていると言っても過言ではない。

そんなKREVAのライブがあると聞いてチケットを取った。ツアータイトルは『敵がいない国』。

KREVAの8枚目のアルバム『AFTRE MIX TAPE』を引っ提げたライブツアーだった。(このアルバムのリード曲が「敵がいない国」という曲なのです)

最初このアルバムを聞いた時に「これでツアーか、どんなライブになるんだろう・・・」と思ったけどツアーがスタートしたらさすが、KREVAだった。

ツアーの内容の話はまた別の機会にして、今回はこの『敵がいない国』について。

敵がいない国

敵がいない国と聞いてどんなイメージをするだろうか。

結論から言うと「この世に『敵がいない国』なんてない」のだそう。

「敵がいない国」があるとするならば、①そこの国民全員が「ここには敵がいない」と信じている状態、もしくは②この国に入国してくる敵を皆殺しにしてしまって、敵以外が生き残っている状態なのだそう。

敵がいない国の国王KREVAは前者を選んだのでライブの途中で何回か「お互いを信じよう」というメッセージを発していた。

お互いを敵じゃなく、仲間としよう、肩を組み合おうと。

「お互いを信じよう」というメッセージに加えて「結局は自分でやるしかない、自分で決めるしかない、やるのは自分次第」というメッセージも強く発していたように思う。

「神様は迷えないよ、自分の行動に。でもやるしかないんだよ。だって神様だもん。この国を作るって決めちゃったんだもん。」

私たちの誰しもが自分という国の国民なのであって、「自分で決めて、自分でやらなければならない」というメッセージ。

敵がいない国を作り上げるためには、まず自分が神となって決めて、行動して国を作り上げる。そして国王を選び(チャラくない人がベスト)国民に対して「私はあなたの敵じゃないし、あなたも私の敵ではないよ」ということを信じ込ませる。こうして敵がいない国は作り上げられるのだ。

消去法の二者択一

KREVAはライブの一番最後に最新シングル山下達郎さんのカバー、最後のニュースを歌ってくれた。

歌に入る前、イギリスのEU脱退問題を例に挙げて「選択をする時に、こっちがいいからコレに投票しよう、じゃなくこれは嫌だから消去法でこっちに投票しておこう」という場面があるよねと言っていた。

前述の①そこの国民全員が「ここには敵がいない」と信じている状態、もしくは②この国に入国してくる敵を皆殺しにしてしまって、敵以外が生き残っている状態のどちらがいいか、と問われ②が嫌だから①を選ぶのではなく、①がいいと最初から言えるような、②のような状態が生まれないことを願っていることを暗に示しているような流れだった。

KREVAのライブは歌って踊って拳を挙げて、とても爽快だけど、たまにドキりとするメッセージに出会う。この曲に、この言葉にこんな意味を込めてくれていたのかと。だからこそKREVAはやめられない。

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※このライブレポは12月13日仙台PITで行われたKREVAのライブを見て私が感じた所感です。ご本人の意図している部分とずれているところがあるかも知れません。悪しからず。



うちの金魚に美味しいエサを食べさせたいと思います。