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写真が変?! A Collection of Beatles Oldies - THE BEATLES (1966)

ビートルズが活動した1960年代。同じアルバムでも国によって内容が違うなんてことは日常茶飯事でした。
ビートルズも例外ではなく、レコード時代は各国が独自の編集盤をリリースしています。スリーブデザインが違ったり、タイトルが違ったりと、無法地帯と言うか、マニア泣かせと言うか、本当に様々なレコードが存在しています。
特にアメリカのCapitol盤が大胆で(レコード会社の力関係が影響したようですが)、シングル発表曲を組み込み独自編集したアルバムをバンバン出しています。
そして日本でも不思議な編集盤を発売してます。
この辺りの違い案件はアメリカ編集盤、日本編集盤を中心に追々紹介していきます。

さて、今回のテーマは僕のMusic Lifeの原点となった「A Collection of Beatles Oldies」についてです。

1966年のクリスマス用にリリースされたベストアルバムで、UKでは初で解散までにリリースされた唯一のベストアルバムです。

我が家には以下の3枚があります。
①UK Parlophone盤 mono PMC7016
②日本 Odeon盤 stereo OP-8016
③日本 Apple盤 stereo AP-8016

どれも収録曲は同じですが、monoとstereoではミックスが違う曲があります。

①-1 UKオリジナル MONO盤
レーベル:PARLOPHONE PMC 7016

SIDE 1

1. She Loves You  ▲

2. From Me to You  ▲

3. We Can Work It Out  ▲  

4. Help!  ▲ ◎  

5. Michelle  ◎  

6. Yesterday ◎  

7. I Feel Fine  ▲  

8. Yellow Submarine ▲ ◎  

SIDE 2  

1. Can't Buy Me Love  ▲ ◎  

2. Bad Boy  

3. Day Tripper  ▲  

4. A Hard Day's Night  ▲ ◎  

5. Ticket to Ride ▲ ◎  

6. Paperback Writer ▲  

7. Eleanor Rigby ▲ ◎  

8. I Want to Hold Your Hand ▲  
▲:シングル発表曲 ◎:LP収録曲

まず、ジャケット表面のアートワークが素晴らしいです。Oldiesというタイトルから連想するノスタルジックな要素を盛り込みつつも、60年代半ばらしいファッショナブルでサイケデリックなデザインと色使い。抜群のセンスだと思います。ストライプのパンツが実にカッコイイです。

そして僅か4年前からリリース直前のヒット曲をオールディーズと言い放ってしまう点に彼等の勢いとユーモアのセンスも感じます。

収録曲はシングルを中心にデビューから5年間のヒット曲を集めてます。当時はシングルとLPは別物と考えていたため、シングル曲がLPに入っていないことが多く、それらをまとめて聴けるこのアルバムは価値があったと思います。
話は逸れますが、ピートルズの場合、シングルB面曲も文句なしの名曲が多いです。「This Boy」「Yes It Is」「I Call Your Name」「Rain」などなど。それら全てをこのアルバムに入れて欲しかったところですが、流石に無謀なお願いですよね。アルバム1枚では収まらないし…。

さて、このアルバムの中で、side-2の2曲目「Bad Boy」だけが異色の選曲と言えます。本国UKではアルバムにもシングルにも入ってない未発表曲で、唯一オリジナル曲ではないカバー曲。
Johnのボーカルが最高にカッコイイこの曲を僕は大好きなんですが、冷静に考えれば不思議ですよね。アルバムの目玉として敢えて選曲したのか?…なんて想像を膨らませます。
ところが、なんと大ヒットシングル「I Want To Hold Your Hand」のB面曲「This Boy」を入れるはずが、間違って「Bad Boy」を入れてしまったという冗談みたいなオチなんです。ウ〜ン、プロとしてどうなんだ⁈ッと笑ってしまいます。
どちらの曲も悪くないけど、曲順を考えると確かにバラードの「This Boy」の方がしっくりくるように思います。


さてさてさて、
今回の本題『バックカバーの写真』です。

この写真はアルバムリリース直前の1966年6月来日時に滞在先のホテルで撮られたものです。(世界のピートルズが日本での写真を使ってくれるなんて…光栄です。)
UK盤①-2と日本盤②-2(③-2)を見比べて下さい。

①-2 同UK盤の裏面
②-1 日本 STEREO盤
レーベル:Odeon OP-8016
②-2 同日本盤の裏面
③-2 日本 STEREO盤
レーベル:Apple AP-8016
③-2 同日本盤の裏面


「BUT GOLDIES!」の位置も違いますが、写真の左右が反対です。大胆にも日本盤がオリジナルUK盤の写真をひっくり返していますね。何故でしょう?
手前のジョージ・ハリスンとリンゴ・スターのシャツの前合わせを見れば分かりますが、UK盤は左前になってます。同様にポール・マッカートニーの浴衣の前合わせと漢字(寿かな?)も逆になってのが分かります。
つまり写真のプリントが逆です。

UK盤がデザイン重視のため敢えて逆にしたのかもしれませんが、几帳面な日本人には耐えられなかったのでしょうね。

▶︎光栄にも日本で撮った写真を使用してくれたからには正しく発信したい
▶︎浴衣を正しく着付けしたにも関わらず、逆の写真を載せることに着付けのプロとしてのプライドが許せなかった
▶︎レコード会社のプライドと交渉努力
といった要素が重なって起こった珍事ではないかと思っています。(知らんけど…)

世界各国のアルバムを確認していませんが、日本以外で正しい向きの写真を使用している国はあるのかな?
それにしても、よく本国の許可が出たものだと感心します。

ぜひCDでリリースしてほしいです。
できれば、monoミックスとstereoミックスを1枚のCDにして出してください。

【おまけ 〜 レーベルについて】

▫️UK イエロー・パーロフォン レーベル
UKのレコード盤に貼られたレーベルは時期によって変わりますが、オリジナルはこのイエロー・パーロフォンと呼ばれるレーベル。やっぱりカッコイイ!痺れる!!
後にシルバー・パーロフォンと呼ばれるレーベルに変更されます。

①-3 UKオリジナル
イエロー・パーロフォン レーベル

▫️ 日本盤  Odeon レーベル
日本盤はOdeon盤がオリジナル。1969年頃からApple盤になりまが、1976年に再びOdeon盤に戻ります。なおデザインはオリジナルとは異なっています。
因みにオリジナルOdeon盤のLPは全て赤盤(red wax)のはず。Apple盤になってからは基本的に黒盤になっていますが、切り替わった直後は赤盤も混在してます。

②-3 日本盤
Odeon レーベル

▫️ 日本盤  Apple レーベル
このApple盤は赤盤です。何故か得した気分になります。この気持ち分かります??
ところが僕の先輩は赤盤に当たると損した気分になったと言ってました。人それぞれですね。

③-3 日本盤
Apple レーベル

今回はこれでおしまいです。

#レコード #ビートルズ #ジャケット #洋楽

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