環境から習慣を改善したいみなさんが使えるお手軽フレームワーク
「幸せな選択、不幸な選択」を読みまして。内容は行動科学がベースで、「人はどんな選択をすれば幸せになれるの?」を説いた本です。著者のポール・ドーランさんが、イギリス政府の依頼で作成した幸福設計フレームワークが便利だったので紹介します。
幸福を設計するカギは「文脈」
ポールさんいわく、幸福になるには自分が注意を向ける対象の配分が重要で、その配分をコントロールするためにも「文脈(コンテキスト)」が大事なんだとおっしゃってました。
文脈をコントロールするのが、幸福をデザインする上で楽ちんですよと。
文脈をうまくデザインすることをスローガンっぽく言うと、
「相手にしてほしい行動があるなら、相手がその行動をしやすいように工夫しよう」
になります。これしないと人は行動を起こしづらい。
言われてみれば分かる話ですけど、いざやると意識して文脈を管理するのも大変だと思うので、便利なフレームワークを紹介しておきます。
無意識を自動で操る「MINDSPSCE」
1.Messenger(伝達者)
人は発信する相手によって受ける影響が変わる。
総理大臣の発言は誰でも耳を傾けるように、誰に言われるかで影響力が変わると。つまり、理にかなった意見でも嫌いな人から言われると耳を傾けなくなったりするので、そこらへんは気をつけたいですね。
2.Incentives(インセンティブ)
ジムに行ったら好きな映画を1本観て良い。
みたいな、目標が達成したらご褒美を得られるようにするだけでも、行動しやすくなりますよね〜という話。
3.Norms(規範)
所属しているコミュニティの人間に強い影響を受ける。
コミュニティに限らず、近くにいる他人に影響を受けるのが人間なので、どんな人と一緒にいるかは意識しておくとGOOD。禁煙したかったら喫煙者とは距離をおいてみたりとか。
4.Defaults(デフォルト)
メールマガジンを申し込んでないけどメールが届くと、解約するのが面倒になりそのままになる心理を利用する。
つまり、一旦設定されたルールを変えるのはめんどうだし、人はそのルールに乗っかって動く傾向にある。たとえば、自動積立方式で口座にお金を送金する、とか。
5.Salience(顕著性)
人の注意は、目新しくて自分に関連のあるものに注目する。
要するに、自分ごとにできて新しくて簡単に行動できるようにするのが大事。シンプルってことですね。
6.Priming(プライミング)
スーパーで焼きたてのパンが売ってると買いたくなるように、無意識的なきっかけは大きな影響を与える。
人は無意識に5感から影響を受けてるから、うまく操ろうね〜という話。
7.Affect(感情)
強い感情を芽生えさせて、行動に踏み切りやすくする。
ウォーレン・バフェットさんのドキュメンタリー観て、「お金の使い方改めるぞ!投資するぞ!」と決心の火をつける、とか。
8.Commitments(コミットメント)
SNSで「私は来月までに5キロ痩せる!」みたいな発言をして、公言したことと行動を一致させようと努力する。
人は自分の発言と一貫した行動をとりがちなので、公言すると行動しやすいよと。
9.Ego(エゴ)
人は、自分の価値観や考え方にあったとりがちなので、セルフイメージと目的を合わせると良い。
「ぼくは真面目だ」と常に考えている人は、ふだんから真面目な行動を取りやすくなりますからね。
まとめ
9つすべてを使わずとも、生活の中でコンテキストを改善したいときのチェックリストにするのが良さげな気がしています。イギリス政府が使ってるくらいですから(伝達者と規範)、積極的に使っていきましょー!
1.Messenger(伝達者)
2.Incentives(インセンティブ)
3.Norms(規範)
4.Defaults(デフォルト)
5.Salience(顕著性)
6.Priming(プライミング)
7.Affect(感情)
8.Commitments(コミットメント)
9.Ego(エゴ)
読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。