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超常現象を信じやすい人の特徴「批判的思考」+30

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+20,+21,+22,+23,+24,+25,+26,+27,+28,+29

前回までで、自分自身を省察する方法を説明しました。

ここからは、なぜ人は超常現象のようなキテレツな考え方を信じてしまうのか?その根拠について考えていきます。

自分自身の体験を優先するこんな話

たとえば、こんな話を聞いたことがあるはずです。

いやっ!!、見ればわかるから。見ればすんごいってわかるんだってまじで

この説明には、紹介したいなにかについて、信じるべき妥当な理由も信頼できる根拠もありません。しかしこの人は、それを強く信じています。「自分の目で見ないと信じない」系の人間です。

もちろん体験しなければ想像できないことは多々あります。しかしこの考え方は裏を返せば、自分の目で見たものは信じやすいわけです。

コンテキストに即した解釈をしてしまう

たとえば、ディズニーテーマパークでホログラムを使ったアトラクションを体験したとします。このアトラクションについて、「これは超常現象だ!」と結論づける人はいませんよね。状況や背景がわかっているからです。

ホログラムを体験したのは、テーマパークのディズニーです。アトラクションがあると認識していますから、超常現象とは思いません。

しかしホログラムが廃墟の病院で使われていたらどうでしょう。それを見た人は、「幽霊だァァァ」と結論づけます。幽霊を見た人は「あれホログラムじゃ?」とは考えません。その場面に合った解釈をしてしまうのです。

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強い体験は帰属の錯誤を生みやすい

幽霊を見た人に「あれはホログラムなんだよ」と伝えても信じてもらえないでしょう。まちがったスキーマで現象を解釈し、認知的不協和や自己奉仕バイアスを発生させるからです。

「自分の体験は信頼できる!」というスキーマがあれば、スキーマに一致しない情報は見落としますし、歪ませて解釈してしまいます。そして人は自分を有能で賢いと思いたい傾向にありますから、自分が間違って解釈したとは思いたくないのです。

まとめ

超常現象をすべて否定はしません。昔だったら超常現象だった今の常識もたくさんあります。大事なのは、開かれた心を持ちつつ、純粋な懐疑心を忘れないことです。

【考えてみよう】
今までの人生で、強烈な体験から信じてしまった超常現象はあるだろうか?3つほど書き出して、そのときの状況を思い出してみよう


読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。