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どうやって正確な原因を把握するのか「批判的思考」+1

クリティカルシンキングについて、自分なりにまとめておきたいなぁ〜と思っていたので、この機会にまとめます。良質な思考ができるようになれば、それだけ人生の彩りも変わりますし、やりたいことをたくさんできるようになるはずです。

しかも幸運なことに、クリティカルシンキングは技術であり、後天的に習得が可能です。このスキルは早い時期から養っておきたいので、しっかりまとめていきたいと思っております。

どんな場面でも、良質な思考は必要ですからね。

なぜ物事の原因を考えるのか?

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クリティカルに思考する上で欠かせないのが、因果関係の思考です。何があったから、どんな結果が起こるのか。日々の思考の大半は、因果関係について考えているでしょう。

では、なぜ原因について考えるのでしょうか?原因を知る意味とは?

大きく分けると3つの意味があります。

1.安心感を満たす
2.好奇心を満たす
3.意思決定の材料にする

雷が鳴る原因を知らない子どもは、空が怒っていると怯えます。目の前で摩訶不思議な現象を目にしたら、だれもがなぜそうなるのか自然と考えるでしょう。

物事の原因を知ると、安心感を生み、好奇心を満たせるのです。そしてもう1つ、意思決定の材料にもなります。

意思決定の材料は、原因を理解して次に何をすればいいのか判断するときに使います。換言すると、「いつ、どこで、どのように、なにをすればいいのか」自分の頭で考えられるのです。

「タバコを吸うと健康を害する」と因果関係がわかっていれば禁煙するでしょうし、「プロテインは万人が飲むべし」の理由(原因)に価値があると理解すればプロテインを飲みますよね。

つまり物事の原因を的確に推測するには、正しい原因を探らなくてはいけません。

原因推測の2つの区分

たとえば、「夫が浮気したのは、男が浮気する生き物だから!」と言っている人がいたら、その主張をそのまま信じるでしょうか?

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この主張がネット上でまかり通っているように、原因と結果はテキトーに捉えられがちです。

まずやらなければいけいないのは、原因を要素分解して区別して考えること。

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原因を要素分解すると2つの区分になります。1つ目が、必要原因。2つ目が十分原因です。

必要原因とは、それがなければ結果が発生しない原因です。言い換えると、Aが存在するのは、Bが存在するから、です。

ぼくたちの命が存在するのは、水を飲み続けているからですよね。つまり水は、生命の存続に必要な原因なのです。

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十分原因とは、それがあれば結果が発生する可能性のある原因です。言い換えると、Aが存在しなくても、Bが存在するかもしれない、です。

命が存続するには水が必要ですけど、水だけでは足りませんよね。タンパク質やビタミンも必要で、あれば結果を発生させるけど、なくても結果が生じるものが十分原因です。

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浮気するのは男が浮気する生き物だから?

最初の例の原因推測が適切か考えてみましょう。まず、「男だから」は浮気の必要原因なのでしょうか。

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もし男が浮気する生き物であれば、浮気が起こる可能性はあります。もちろん浮気が起きない可能性もあるのです。そして「男だから」が必要原因であれば、女は浮気しないことになります。よって、浮気が男の専売特許である事実はなくなるわけです。

浮気は男性だろうと女性だろうと誰でも行える以上、男が必要原因とは言えないのです。

必要原因ではなく、十分原因を考えるのが大事

もちろん浮気した理由に、男性特有の原因はあったかもしれません。性欲は女性より男性のほうが強いなんて話もありますよね。男性だから浮気すると言えないので、必要な原因だけでなく十分な原因も考えなくてはいけないのです。

十分原因を考える前に、浮気するための必要原因を考えてみましょう。

-相手と会う時間
-会うスペース
-お金
-元気な身体

などなど、お気づきのように必要条件は無限に書き出せる特徴を持っているのです。

この特徴を持っているからこそ、原因を追求するのはむずかしく、安易な決断は間違った結論へ導きます。

つまり浮気の十分原因は以下のようになります。

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そしてこの必要条件は、人によって十人十色。型にはめて話せる原因ではなく、コンテキストやその人の性格に大きな影響を受けるのです。

ここで伝えたいのは、浮気の原因がなにかを探るのではなく、日頃から行う原因推測のやり方が、大きく間違っている事実です。

まとめ

原因とは何か、必要原因と十分原因の違いとはなにかを説明しました。すべての原因推測を細かく分析する必要はありませんが、大事な意思決定をする場合は、必ず確認するべきポイントです。

日頃からクセを付けておくと、おかしな推論に敏感になれるので、事実をしっかり抽出できるようになるのではないでしょうか。

【考えてみよう】
noteを書き続けるための必要原因と十分原因を5つ考えてみよう

動画解説はこちら↓↓↓

クリティカルシンキング「原因とは何か?」を解説+1

読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。