見出し画像

言い逃れ癖が付くと人生オワタになる理由「批判的思考」+26

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+20,+21,+22,+23,+24,+25

前回は、被害者の罪を過度に大きくする「公平世界仮説」について説明しました。

今回は、他者への印象づけに使われる「自己ハンディキャッピング」について説明します。

だれもが印象を管理している

たとえば、あなたが自宅のインテリアにこだわりを持っているとします。その理由はいろいろあるでしょうが、そのこだわったインテリアは、あなた自身の印象にもつながっていきますよね。

装飾にこだわっているのであれば、おしゃれな人。電化製品にこだわっているならガジェット好きな人。というように、そのインテリアからは、他人から見える自分を映し出しているのです。

他の例で言えば、「どんな洋服を着ようか?」と悩むのも、自分の印象を管理したいからでしょう。このようにぼくたちは、自分の印象を管理しているのです。

ダメな印象管理の典型例がこちら

たとえば学生時代に1人は登場する「いやぁテスト勉強してないんだよね(・o・)」と主張してくる系。この人が行っている行動は、印象管理の悪い例。

この学生のような印象管理は「自己ハンディキャッピング」と呼ばれています。要するに、自分の尊厳を守るために失敗しても言い逃れできる環境を築くこと、と考えるとわかりやすいです。

画像3

似たような例で、テスト前に遊びに行くのも自己ハンディキャッピングです。この行為はどれも「失敗した原因はこれだね!」を意図的に自分でつくっていると言えます。自己ハンディキャッピングが好まれるのは、自分の尊厳が傷つかないからです。テストで言えば、自分がバカだと周りに気づかれずに済みますよね。

自己ハンディキャッピングが悪な理由

自己ハンディキャッピングがダメな理由は明確にあります。というのもこの印象管理は、結果が出た後の言い逃れではなく、結果が出る前に用意できる言い逃れだからです。

画像1

自己ハンディキャッピングには2つの使い方があり、1つはテストの前日に遊びに行くような行動ベースの言い逃れです。こちらは実際に行動に移しているので、たしかに失敗する確率は上がります。

しかし2つ目は、行動に移していないのに言い逃れだけを用意する妄想ベース。もちろん両方ダメなんですけど、主に後者を用意するのは最悪です。

なぜならその発言がいつか実際に起ってしまう危険があるからです。たとえば、「わたし要領悪いので仕事おそいんですぅ(*^_^*)」と主張する女性がいたとしましょう。典型的な自己ハンディキャッピングですね。ただしこれは「要領悪いって言うけど、実はできるんよ」と印象管理を狙っている可能性もあるのです。

しかし、この言い逃れをする人で仕事が早い人は皆無でしょう。

画像3

要するに、逃げ腰習慣が身についてしまうのです。言い逃れを作っておけば安心できる気持ちはわかりますが、だから失敗してもいいわけではありませんよね。しかもその失敗に目を向ける機会も減少してしまいます。

画像4

①妄想の言い訳を作る→②印象を操作できた→③安心する

このようなフローを繰り返していけば、どんな人間に成長するかは想像できるでしょう。

自己ハンディキャッピングが常習になると、自分を欺く機会が増え、成長もストップします。自分を客観的に見る機会を放棄しつつ、自尊心だけ立派になっていくわけで、良い側面は皆無。

まとめ

大事なのは言い逃れを用意するのではなく、言い逃れを潰して立ち向かうこと。もちろん言うは易く行うは難しなんでしょうが、逃げ腰グセのある大人には絶対になりたくないですよね。なので失敗からクリティカルに学んで、根本の問題に目を向けられる精神は養っていきたいところです。

【考えてみよう】
明日大事な仕事があるのに夜ふかしして睡眠時間を減らしてしまったとする。この行動を自己ハンディキャッピングに基づいて分析してみよう。そしてこのような言い訳を破壊する方法も考えてみよう。


読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。