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確率の基本理解「批判的思考」+33

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+20,+30,+31,+32

前回までで、ヒューリスティクスの2つ方法論である「利用可能性」と「代表性」について説明しました。

今回は、偶然と確率を正しく理解するための「確率の基礎」について説明します。

確率の基本を理解する

恋愛マンガの出会い頭のように、偶然には見えない出来ごとは強く印象に残るでしょう。この錯覚に近い印象を防ぐためには、事実を偶然かそれ以外かで正確に把握する必要があります。

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その方法が、確率を理解することです。

ここで問題を出します。頭の中だけで解いてみてください。

1.よく切られた1組のトランプから、ハートのエースを引く確率とは?
2.サイコロを2つ投げたとき、目の合計が6になる確率は?

1の問題はカンタンです。52枚のトランプから1枚を取り出すわけですから、答えは「52分の1」。ハートのエースを引く確率は、トランプが全部で52枚ある前提とハートのエースがその中で1枚しかない事実から予測ができます。

つまり何かの確率を求めたいのであれば、着目している結果の数字を「分子」に、可能な結果の総数を「分母」として考えればいいのです。

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2つ目の問題もかんたんです。ほしい結果を分子として考えてみます。2つのサイコロの目の合計が6であればいいので、「1-5,2-4,3-3」この3パターンですね。

では答えはいくつになるでしょうか。サイコロが2つありどちらも6通りですから、6×6で36通りになります。つまり答えは、36分の6、すなわち12分の1です。

確率で使う代入数字をまちがえない

カンタンな問題から確率の基本を学びました。ここで大事なのは、分子でも分母でもどちらかの判断がまちがっていれば、正確な確率はでないという事実です。

確率の概念はだれもが知っているはずなのに、公式にまちがった数字を代入してしまい、おかしな原因帰属をするケースは多々あるはずです。今まで話してきたように、人は自分の都合のよい解釈をする傾向もありますから、この点には十分注意が必要です。

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【考えてみよう】
Yさんはインタビューで、「自分が宝くじで1億円当たったのは日頃の行いの賜物です」と答えた。ちなみにYさんは宝くじを買い続けて20年経っている。Yさんの原因帰属がまちがっている理由を確立を使って考えてみよう


読んでいただきありがとうございます。これからも読んでもらえるとうれしいです。