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クリティカルシンキング(批判的思考)

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2020年11月の記事一覧

もし他人の行動原因が知りたくなったらこれを軸に考える「批判的思考」+12

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+10,+11) 前回までで、原因推測の原則について説明しました。必要原因や十分原因、一致法や差異法などです。 ここからは、他人の行動を理解するために必要な「原因の帰属」について解説していきます。他人の行動の原因を判断するときに、気をつけるべき点について考えていきましょう。 こんな問題が起きたときの原因はなんだろう?因果関係は、なにも必要原因や十分原因だけを考えれば良いわけではありません。その原因が、内的か外的かも重要な区分の

この合わせ技なら高確率で因果関係を読み取れる「批判的思考」+11

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6,+7,+8,+9,+10) 前回は、因果関係を決定する方法の1つ、一致法を解説しました。今回は、「一致と差異の併用法」ついて解説していきます。 一致と差異の違いとは一致法の使い方を振り返りつつ、一致と差異の違いを考えてみましょう。 一致法とは、似たような出来事Aと出来事Bが起きたときに仮説として立てられる原因が同じXだった場合、2つの出来事の原因をXだと考える手法です。(例:集団食中毒)

真実はいつも1つ!でもアレは1つじゃないから気をつけよう「批判的思考」+10

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6,+7,+8,+9) 前回までで原因推測の落とし穴を一通り説明しました。ここからは、因果関係を決定するための方法について解説していきます。 真実はいつも1つでも原因はいつも複数名探偵コナンくんの名台詞に、「真実はいつも1つ!」があります。たしかに真実はいつも1つなんですが、その真実を生み出した原因は複数あるのが常です。 そして因果関係を決定する要因は複雑なので、これさえやればOK!な原因推測法

考えるときにこれを見落とすから騙されやすくなる「批判的思考」+9

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6,+7,+8) 前回は原因推測の落とし穴の1つ、「平均方向への回帰」を説明しました。今回は、前-後論法を使うときの注意点としての「欠落したケース」について説明します。 こんな落とし文句には気をつけるたとえば、「1ヶ月続けただけで効果絶大!話題のダイエットグッズが今なら半額セール中!」と書かれたチラシを「クレヨンしんちゃん」のしんちゃんのお母さんが見たとしましょう。 みさえは、「あら…これなら痩

人間誰しも伸び続けるのが不可能な理由「批判的思考」+08

クリティカルシンキングシリーズの続きです。(+1,+2,+3,+4,+5,+6,+7) 前回は原因推測の落とし穴の1つ、「前-後論法」について説明しました。今回は、「平均方向への回帰」について説明していきます。 こんな因果関係はまちがっているドラえもんに登場するのび太くんが、テストで赤点を取ったします。のび太くんのお母さんは怒鳴りますね。そしてのび太くんは反省して、次回は勉強してからテストに臨み、高得点を叩き出しました。 するとお母さんは、のび太くんを褒めちぎります。気