【短小説】鏡

「鏡」

何も釣れなかった…二週間ぶりの休日だったのに…こんなことなら家で寝てればよかった

なんだか浜辺が騒がしい…近所のチンピラだ、そいつらに羽交い締めにされてボディブローを食らってるのは…ウミガメ!?

ウミガメならいいか…

気配を殺し足を早める

「ちょっと待って下さいよぉ!」

若手芸人?…いやウミガメが喋ったのか!?

チンピラがこちらに気付く

逃げ出す僕、逃げる者を追いかける習性のチンピラ

目が覚めた…綺麗な人がたくさん…キラキラした場所…もしかしてここは竜宮城?

「それではお会計になります」

チンピラたちが取り出したのは…僕の財布!

キャバクラ!動けない!亀甲縛りにされてる!

「亀さん、ゴチになりまーす」

目覚ましが鳴る

2時間しか寝れなかった

鏡に写る僕はものすごく老けて見える、玉手箱でも開けたみたいに

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