デザイナー、認知科学を学ぶ
私はデザイナーですが、このところ認知科学や認知心理学を少しずつ勉強しています。
理由は大きく2つあって、1つ目は効果のあるビジュアル制作をすること。
もう1つは非デザイナーとのコミュニケーションに使えないかと目論んでいることです。
効果のあるビジュアル制作
私はインハウスデザイナーです。
そのためデザイナー以外の職種の方からは、ビジュアルを細部まで拘ることにあまり共感してもらえません。
それ自体は仕方のないことだと思います。
だからといってクオリティの低いものを量産することは、インハウスデザイナーとしての価値を潰しているとも思います。
有限の時間の中で、何にこだわり何を諦めるかの判断は非常に重要です。
判断の軸を考えたときに「人間一般に当てはまる特性を分かっていれば、おおよその効果や掛けるべき時間が分かるのではないか?という」仮説が浮かびました。
丁度そのころnoteで
この記事を目にしたのもあり、ものは試しだと勉強を始めました。
普段の業務を想像しながら読んでいると「アレは大事だ」「うちのユーザーにあてはめると……」と少しだけ判断が明確になったような気がします。
実践し始めたところであまり成果を出せていませんが手応えはあります。といった段階です。
非デザイナーとのコミュニケーション
感覚で信じていたことが実験でちゃんと証明されているんだと知れたことも大きな学びです。
デザイナーは基本的に「情報の優先度を決めて、大事なものを届けて、そうでないものは捨てるか目立たないようにするか」と考えています。
とはいえビジネスサイドの人の「可能性のあるものは1つでも多く残しておいて機会損失を防ぎたい」という意見も、ビジネス側に立ったつもりで考えると理解ができます。
平行線のままだと意思決定も遅くなるしプロダクトがブレブレになってしまうからどうにか上手にコミュニケーションを取りたいなあと思っているのですが、そういうときに学問としての根拠があると話がしやすいです。
上記の例だと選択のパラドックスやマジカルナンバー7±2などの話を持ち出します。
(選択のパラドックスなんかは種類とユーザー数とCVRとを掛け合わせるとジャムの実験通りにならないこともままあるでしょうと思いますが、そこは伝え方をうまいこと……)
単純にデザイナーの勘で話しているだけではなく、根拠がありますよと提示するだけでもお互い幸せになれると思います。
デザイナーの持っている暗黙知を形式知化する翻訳機能としても引き続き認知科学を学んでいこうと思います。
まとめ
タイトルで偉そうに「学ぶ」と言い切っていますがまだまだ本を何冊か読んだ程度です。
しかしその程度であっても今までにない発見やふんわりしていた部分が言語化できたという成功体験を得ることができました。
デザインが学問的に研究されている中で、皮肉なことにデザイナーはずっと感覚や口伝だけで理解しているという側面もあります。
この構造が大きな断裂を生んでいると感じているので、自分のこのような学びがいずれ両者の橋渡しになれば良いなあと思っています。
最後まで読んでいただいてありがとうございます!