第3回目となるリファレンスモデル分科会主催ライブイベント開催

「リファレンスモデル分科会」主催の第3回目のイベントが開催されました。

今回は最近の我々の身近な関心事項である「新型コロナウイルスのワクチン接種」をテーマにいたしました。用意された共通の「ワクチン接種システムのデータモデル」に沿って各企業が各ローコードおよびノーコードツールで開発した「新型コロナウイルスワクチン接種管理システム」のデモンストレーション(画面)を参加者様にご覧いただき、各ローコードツールの特徴や個性を知っていただく…といった趣旨となっております。

今回登壇および発表されたツール、企業は、下記7ツールおよび6社です。
・【X-TEA】 渡辺幸三氏
・【Wagby】 株式会社ジャスミンソフト
・【TALON】 株式会社HOIPOI
・【GeneXus】【MagicLogic】 株式会社ウイング
・【WebPerformer】 キヤノンITソリューションズ株式会社
・【OutSystems】 株式会社BlueMeme


今回のデータモデルの作成者である渡辺氏は、システム開発現場の現状について、
「多くの技術者が誤解していますが、どのシステム開発においても、とにかく業務を分析する、業務手順を分析することばかりを行っている。今回のお題はその逆の典型だが、データモデルを変更・確立して、そのデータモデルに基づいてどんな業務フローが必要になるのだろうという流れになっていて、それこそがデジタルトランスフォーメーション(DX)のカギとなると考えている。」と述べ、続けて「そのビジネスがどんなデータを扱っているのか、どんな論理構造をしているのか、データの形を先に捉え、その上でこのデータ構造をいかすために、どんな業務フローやUI・UXが適切だろう、という順番で考えていかなければならない。UI・UXを先行させたり、業務手順を細々と分析し続けてしまうと、現行システムとあまり変わらないシステムができあがってしまう。DXをしたいのならば、抜本的なデータ構造の見直しが必要になる。また、データモデルさえあれば、ローコード開発ツールでの実装は非常に容易で、データモデルがないからプロジェクトは失敗する、またデータモデルが不完全だから不完全なシステムができあがってしまう。」とデータモデルの重要性を示しました。


【イベントの様子】
Live実装① X-TEA 渡辺幸三氏

■X-TEAについて
企業システムに特化した設計方法論「三要素分析法(TEA Method)」、そしてその設計を登録出来るツールとしてX-TEA Modelerがあります。
<X-TEA Editor>
X-TEA[eksti:] Modeler は、企業システムの基本設計情報を管理するための専用のエンジニアリング・ツールです。データモデリングだけでなく、業務プロセス連係や機能連係のモデリングまでを立体的に支援します。
<X-TEA DRIVER>
X-TEA[eksti:] Driverは、業務システムをはじめとするデータベースシステムの開発に特化したOSSプラットフォームです。同梱の仕様書専用エディタ(X-TEA Editor)を用いて「仕様書」を書けば、X-TEA Driverがこれを読み込んでシステムを動的に立ち上げます。

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「新型コロナウイルスワクチン接種管理システム」のデータモデル(X-TEA 開発画面)。上から自治体・ワクチン拠点(ワクチンを補完・接種する拠点)・世帯・住民・接種申請見出し・接種申請明細・接種時程・派遣要員時程・派遣要員・接種日程・接種条件・予防接種・ワクチン。

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開発画面


Live実装② Wagby 株式会社ジャスミンソフト

■Wagbyについて
Wagby (ワグビィ) は Web ベースのエンタープライズアプリケーションをノンプログラミングで超高速に開発するローコード開発プラットフォームです。設計情報から業務ルール、画面、データベーススキーマなど、すべてを自動生成します。 詳細設計から単体テストまでの工数を大幅に削減することに加え、実際に動作するシステムを使ってレビューすることで、要件の修正もすぐに反映できるようになります。

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システム画面

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開発画面


Live実装③ TALON 株式会社HOIPOI

■TALONについて
TALONは独自技術のブロックシステムとルールエンジンでコーディングにかかる時間を限りなく0に近づけ、開発コストと開発時間の圧倒的な削減を実現したローコード開発(超高速開発)ツールです。最大の魅力は、データモデル(ER図)が完成したらそのまますぐにシステムを完成させることが出来る点です。SELECT文と設定により複雑なシステムも作ることが出来ます。プログラミング記述を自由に行うことが可能ですのでスクラッチ開発と同等の自由さでの開発も可能です。小売店の在庫管理システムから、製造業のIoTのデータ収集・分析、生産管理システムなど幅広いジャンルのシステムテンプレートもご用意しています。

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システム画面

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実装画面


Live実装④ GeneXus 株式会社ウイング

■GeneXusについて
30年以上、世界各国で利用されている信頼できるローコード開発ツール「GeneXus」は、 アプリケーション開発、保守、改善の為の、推論機能を有した世界で唯一のプラットフォームです。 これまで30年間にわたって培われたテクノロジーは、激変するIT環境の中で現在も進化し続け、 企業のデジタル資産を将来の技術革新の波から守っています。世界中で、金融、流通、製造、教育、公共、各政府機関等、 あらゆる業種のビジネスアプリケーション開発に利用されています。


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システム画面

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開発画面


Live 実装⑤ MagicLogic 株式会社ウイング

今回のイベントで株式会社ウイング様はローコード開発基盤の「GeneXus」だけでなく、ノーコード開発基盤「MagicLogic」での実装にも挑戦しました。

■MagicLogicについて
MagicLogicは、 設定、または選択するだけで簡単に業務システムを作成することができる便利なツールです。ITの専門知識は必要なく、業務要件を投入していくことで自動的にWebシステムが作成され、スマートフォンでも利用可能。「業務日報」、「小口現金出納帳」、「スケジュール管理」、「在庫管理」、「見積管理」、「アンケート管理」等の”無料のテンプレート”は、サイトからダウンロードしマジロジにインストールすることで、そのまま利用することができます。

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システム画面

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開発画面


Live実装⑤ WebPerformer キヤノンITソリューションズ株式会社

■WebPerformerについて
WebPerformerは、Webシステムを素早く開発できるローコード開発プラットフォームです。直感的な開発、素早いリリース、自動生成による品質の均一化などにより開発期間が短縮でき、システムを利用するビジネス部門と開発部門との共創型開発を実現し、ビジネス環境の変化にも柔軟に対応したシステム構築が可能となります。

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システム画面

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開発画面


Live実装⑥ OutSystems 株式会社BlueMeme

■OutSystemsについて
OutSystemsは、プロセス、インターフェース、ロジック、データの4つのシステムの設計情報をエンジニアがモデリング(設計)することで、ソフトウェア全体を一気に自動生成することができる、大規模システムに対応したローコード開発基盤です。従来のソースコード生成や自動生成アプリケーションでは、細かで複雑なロジックの記述が難しかったり、生成されたソースコードを書き換えることで不整合が起きることも多くありました。OutSystemsでは、表現力の高いモデリング言語を採用することで、ソースコードを一切参照することなく業務アプリケーションの開発を実現し、設計からテストまでの開発スピードを大幅に短縮します。

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システム画面

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開発画面

実装期間・開発人数は各社すべて1週間以内、3名以下で為されました。

200名を超える視聴申し込みをいただき、コロナ禍での企業の急速なDX化におけるローコード開発への注目度の高さが伺われました。
ご清聴いただきました皆様、誠にありがとうございました。

リファレンスモデル分科会は今後も、各ローコードツールの選定における有益な情報提供の場をご用意していきたいと考えております。「こんなイベントがあったら」「こんな企画を開催してほしい」などのご意見・ご要望もお待ちしております。
ご感想やご要望は、下記メールアドレスまで是非、お送りください。

xrad.rmodel@gmail.com

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