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VRにしかできない4つのストーリーの同時進行『FOUR STORIES』:XR映画ガイド第14回
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今回取り上げる『FOUR STORIES』はNick Ladd監督によるアパートの上層階を舞台にしたちょっと変わったアニメーションです。Nick Ladd監督はVRペイントアプリ「Quill」を使いアニメーターとして、エリック・オー監督の短編映画 『Namoo』やStudio SyroのXR映画ガイドの第6回でとりあげた『Silence: Tales from Soda Island - Ch. 6』などの「Tales from Soda Island」シリーズの制作に携わっているクリエイターです。「Quill」はVR内で絵を描くようにアニメーションなどを作成することが可能なツールです。『Goodbye Mister Octopus』のようなヴェネツィア国際映画祭にノミネートされた作品もQuillを使って作られています。
『FOUR STORIES』はクローズ・エンカウンターズ(接近遭遇)、ブレイク・イン(侵入)、ナイト・フライツ(夜の恐怖)、ディストラクションズ(気晴らし)と4つのストーリーが同時進行していきます。どのストーリーを追っても、最後は1つの結末に収束します。
見所:VRにしかできない4つのストーリーの同時進行
体験を始めると眼の前にアパートがあります。そのアパートには住人が複数住んでいて、自分の好きな住人を自分の好きな角度から見ることができるのですが、それぞれの場所でそれぞれのストーリーが始まります。通常の映像でも何本かのストーリーが最終的に1つにまとまっていく映画はありますが、本当に同時に行われるのはVRにしかできないことだと思います。1つ1つのストーリーは3分という短い作品ですが、4つのストーリーを理解するには4回見る必要があり、またそれぞれが複雑に絡み合っているので何度見ても飽きず、新しい発見がある作品です。
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作品データ
タイトル:FOUR STORIES
ジャンル:アニメーション
監督:Nick Ladd
制作年:2020
制作国:カナダ
本編尺:3:38
メディア:6DoF/VR
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