VRで難しかった集客性や収益性の問題の解決『ETERNELLE NORTRE-DAME』:XR映画ガイド第9回
先日、フランスのXR業界の状況を視察するためにパリに行きました。フランスでは美術館や博物館でXR活用されており、さらにはXRの専用施設まで誕生している状況で、あらゆる場所でXR作品が体験することができます。今回はフランスで出会ったXR作品『ETERNELLE NORTRE-DAME』を紹介します。
ノートルダム大聖堂は2019年4月15日の夜に大規模火災が発生し、尖塔などが焼失しました。『ETERNELLE NORTRE-DAME』はフランスにとって象徴的な建物であるノートルダム大聖堂を、建設が始まった中世の時代から修復作業が行われている現在までを時代を超えて追体験することができます。
『ETERNELLE NORTRE-DAME』は多くのフランスの企業や公共機関、パリなどの協力を得て、フランスのXRプロダクションのEMISSIVEが制作しています。また、建築的、歴史的、芸術的な側面を忠実に表現するために、多くの専門家が制作に関わっています。
見所:VRで難しかった集客性や収益性の問題の解決
『ETERNELLE NORTRE-DAME』は50人以上の体験者が同時にVRヘッドマウントディスプレイを装着して体験することが可能です。そのために500平方メートルもある巨大な会場で体験します。XRは通常では戻れない過去や行けない場所に身を置くことができるため、中世などの過去の人たちに出会ったり、当時のパリ市内やノートルダム大聖堂を自分の足で探索することができます。クライマックスの中世と現代の建築職人が出会って、ノートルダム大聖堂の復興をお祝いするシーンは感動的なXRならではのストーリー作品です。またこの新たな仕組みによって、VRで難しかった集客性や収益性の問題を解決させています。その結果、EMISSIVEは『ETERNELLE NORTRE-DAME』以降、意欲的に大型作品を生み出しています。
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