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眼の前に出現する圧倒的な寿司『The Sushi Master - Behind the Dish』:XR映画ガイド第2回

https://www.oculus.com/experiences/image/440088638336251/

今回はフランスにある良質なVRドキュメンタリーを制作・公開しているTARGOによる作品『The Sushi Master - Behind the Dish』を紹介します。TARGOはコロナ禍で静まりかえった世界の都市を撮影『When We Stayed Home』や、2019年に焼失したノートルダム大聖堂の焼失前・後の姿、そして修復が進む現在の姿を見せた『Rebuilding Notre Dame』でエミー賞にノミネートしている実力のあるスタジオです。
『The Sushi Master - Behind the Dish』ではMeta社と提携し、3部構成で3人の女性シェフを追っています。『The Sushi Master - Behind the Dish』はその内の1つで、女性の寿司職人を取り上げています。

見所:眼の前に出現する圧倒的な寿司

魚河岸やわさび畑、寿司屋など綺麗な360°映像で見せていますが、今回は3Dマクロカメラシステムを用いて撮影された、魚やタコなどの食材や寿司が眼の前に出現する巨大な3D映像の存在感が圧倒的です。このシリーズは食べ物をマクロ・3Dで撮影し、VRで巨大なサイズを与えるというアイデアから始まったとインタビューで語られていますが、そこがまさに見所になっています。VRはこれまでその空間・時間をそのまま切り取ることが大きな特徴であったと思います。また、巨大なスクリーンが眼の前に存在するということを謳い文句にしているVRのHMDも数多く見られます。しかし、この映像は空間を再現するのでもなく、眼の前に巨大なスクリーンを配置するのでもなく、3Dの巨大な寿司を出現させます。その存在感は圧倒的です。これは1つのVRによる新しい表現であることは間違いありません。
TARGOは前作『SURVIVING 9/11』では、パノラマ アーカイブを使用して2001年以前のニューヨークを再構築しました。『BEHIND THE DISH』では、マクロ・3Dでの新しい表現に挑戦しました。ドキュメンタリーのストーリーはもちろんですが、新しい表現に挑んでいます。次回はどんな表現が飛び出すのか楽しみです。

作品データ

タイトル:The Sushi Master - Behind the Dish
ジャンル:ドキュメンタリー
制作:TARGO
制作年:2022
制作国:フランス
本編尺:12:18
メディア:3DoF / VR

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