2024年2月度内閣府「景気ウォッチャー調査」:自由記述文の分析技術
エクスパークでは、「変革に向けたイノベータ人材の指標化サービス」をご提供しております。ここでは本サービスの技術の一部を活用した自由記述文分析の応用例をご紹介します。
内閣府「景気ウォッチャー調査」
内閣府は「景気ウォッチャー調査」のデータを公開しています。
このデータにおける景気の判断理由が書かれた自由記述文を独自の解析技術を用いて分析を試みています。
2024年2月度の分析結果と可視化
次の図は、記述した人数と発言の明確さ(言葉と言葉の間の結束度が高いもの)を可視化したものです。人数が多く(横軸・円の大きさ)、かつ発言の明確さが高い(縦軸・文字の大きさ)ということは、多くの人が同じような意味合いで文章を書いているということが導き出せます。2月度では、新型コロナ関連の発言の明確さが高い一方でその数は必ずしも高くないこと、単価上昇などの話題が継続しているがその明確さが必ずしも高くないことなどが特徴的でした。
次の図は、抽出した要素を多次元尺度法とクラスター分析により視覚化したものです。ここでは、意味合いの近いものが距離が近いところにプロットされ、同じ色で色分けされることになります。景気の良さにともなう単価上昇・求人増が見られますが、人手不足という課題が見られるようになっています。その一方で来客が増えていないという状況も語られており、堅調さと相反する動きが折り重なっている状況と言える。
これら分析結果を合わせみると、次のような要素が2024年2月時点の景気の判断理由として注目されていることがうかがえます。
景気の良さにともなう単価上昇・求人増といったポジティブな動きの反面、人手不足といった状況が見えるようになってきた。
顧客が増えていないという一面も語られており、必ずしも全体的に景気が良いという状況ではない様子が見られるようになった。
こうした意味合いを読み解いていくことで、おおまかに人々が注目していることをつかむことができ、中長期的な社会の状況を踏まえた意思決定が促進できます。
エクスパークの技術・サービスのご紹介
独自の自由記述文の分析技術
アンケートのように「景気が良くなっている/悪くなっている」といった結果だけでは、人々がなぜそう判断したのかは分かりません。そうした人々の価値観や思いを収集するのが自由記述文です。しかし、調査で集められた文章は分量もたくさんあり、ニュアンスもまちまちです。
こうした自由記述文などの文章を分析する手法としてテキストマイニングがあります。一般的なテキストマイニング手法では、形態素解析により単語を切り出し、その頻度や共起関係をもとに分析することが多いと思います。しかし、こうした従来手法では、文章の意味合いを反映した分析は十分には行えません。
エクスパークの分析では、独自のシソーラス辞書と解析アルゴリズムを用いて自由記述文を統計的に分析し、個々のニュアンスをできるだけ損なわずに文章を解析できる技術を用いています。(解析エンジンは、こうした分析の豊富な経験をもつパートナー企業である組織活性化研究所様と連携しています。)
本技術を応用することにより、VOC(顧客の声)分析、自由記述による人の価値観の分析などを高い精度で行うことが期待できます。
変革に向けたイノベータ人材の指標化サービス
エクスパークでは、人材の組織特性を可視化し、潜在的なイノベーション人材の育成に貢献すべく、「変革に向けたイノベータ人材の指標化サービス」をご提供しております。
ここでの自由記述文のような言語分析技術を取り入れた統計的な分析と、社会科学的な調査・分析手法とのハイブリッドにより、組織におけるイノベータ人材の諸要素を広く・深く理解することが期待できます。
組織全体の「雰囲気」をきちんと言語化・見える化したい
新たなチャレンジに適した潜在的な人材を見つけたい
こうした課題の解決に向けて、
量的調査:独自の心理検査テストを用いた組織に潜在する雰囲気・価値観の見える化
質的調査:デプスインタビューによる特徴的な人材の価値観・思いの深い理解
という2つのアプローチを組み合わせて、組織におけるイノベーション人材の諸要素の分析と人材育成に向けた指針をご提供します。
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