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良きに計らえ
「私たち、結婚しました!」
突如、目の前に飛び込んできた吉報。
そんな吉報に一つの思い出あり。
時は遡り社会人一年目。
当時付き合っていた彼と中距離恋愛をしていた。
ある日、山頂に建つ彼の家を訪ねた。
(ガチャ)
冷蔵庫を覗くと、一つのカスタードケーキ。
もう一つ覗くとカスタードケーキの包装には、
なにやら文字が書いてあった。
「miiちゃんへ❤️今日は楽しんでね❤️」
彼の仲良しの先輩からのメッセージだった。
彼女は私も良く知る大学の先輩だった。
よく知っていたからこそ、疑問を抱かず、
素直に喜び、そのカスタードケーキを口いっぱいに頬張った。
時は流れ、1/3
とあるアーティストのお正月ライブに
彼と来ていた。
入場までの長い列の最中、
私たちはプレゼント交換をしていた。
私がプレゼントしたのは
彼氏が好きなヴィヴィアンウエストウッドの指輪。とても喜んでくれた。
そして次は彼の番。
大きい袋を私に差し出す。
ワクワクして開封すると、中身はシックな靴であった。
…嬉しい。
勿論、嬉しかったが、何か引っ掛かる。
でも、その違和感の正体をつかむことはできなかった。
聞くところによると、1ヶ月前に購入したものだと彼は言う。
しかし、兎にも角にも、何か変だった。
彼らしく、なかったのだ。
違和感を抱きながら、ライブが始まった。
私が抱く違和感を忘れさせるように、
ライブは大いに盛り上がり、幕を閉じた。
そしてお互い帰路に着く。
自宅に帰り、もう一度違和感を開封した。
やはり、何か違う。何かが違う。
ふと目をやると、レシートが隅に隠れていた。
恐る恐る目を通すと……
1/3 靴 ¥〇,〇〇〇
あれ?????
数日前に買ったって、言ってた…よな?
ううん、気のせいだね。
違和感を押し殺し、有難く使わせて貰う事にした。
時は流れ、6月
私たちは別れを選ぶ事となった。
それから数年後
「私たち、結婚しました!」
その隣にいるのは、あの先輩だった。
心底驚くと同時に(と言うのも最近同級生の結婚が多いのだ)心底納得した。
数年の時を経て、
カスタードクリームにメッセージを添えてくれた
先輩の行動の答え合わせをする運びとなった。
きっと、お正月のプレゼントも、
既に彼女に惹かれてた故の適当さだったのだろう。
女は怖いか?いやそんなことない。
こんな昔の恋愛に、こんなドラマがあるなんて。
ちょっと、ラッキーな、得した気分です。
改めて、おめでとうございます!
私は相変わらずお仕事頑張りますよ!
(ちょいフィクション入ってます)
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