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受験勉強のはじめの一歩

※「最も大切なこと(勉強を始める前に)12」の続きです。

「強い動機づけ」と「合格までの計画」が完了したら、その勢いのまま、熱が冷めてしまう前に受験勉強に取りかかりましょう。勉強は車輪に似ていて、動かし始めるのには大きな労力が必要ですが、一旦動き出してしまえば、あとは力をかけなくても勝手に転がっていくものです。

極限までモチベーションが高まっているこのタイミングで、受験勉強という重い車輪を動かすことができなければ、次にやる気を出す時まで、あなたはまた数か月、場合によっては数年という貴重な時間をドブに捨ててしまうことになるでしょう。

すこし脅迫めいてしまいましたが、ここは人生を大きく左右する重大な分岐点なので、口を酸っぱくして言いたいと思います。もしあなたが前回までの記事を読んで「強い動機づけ」と「合格までの計画」までやってくれたのであれば、できるだけすぐに次のステップに進んでください

それでは、実際に何から受験勉強を始めればいいのでしょうか。

まず最初に、志望大学・志望学部の去年の赤本を、本番と同じ条件(時間制限など)で解いてみましょう

え、赤本って受験直前にやるものじゃないの?

いま解いても何も分からないんだけど?

そんな声が聞こえてきそうですが、実際、何も勉強していないこのタイミングで赤本を解いても、ほとんど問題は解けないでしょう。

それでも最初に赤本を解くべきというのは、一体なぜでしょうか?

前回までの記事を読んだ方なら察しがつくかもしれませんが、これも受験のゴール地点、ゴールまでの距離、ゴールまでのルートを明確にするための作業です。

基本的に、同じ学部の入試問題の形式が大きく変わることは滅多にありません。何年かに一度大きく変わることがあったり、年度によって難易度が上下することはあっても、たいていの場合、前年の入試と同じ形式の問題が、同じ程度の分量で出題されます。

つまり、去年の入試問題を解くことで、今度の受験でどんな問題が出題されるのか = 自分が受験までに何をできるようになっていなければならないのか、見通しを立てることができるということです。

前回、「「合格までの計画」によって、得体の知れない魔物のように見えていた「受験」というイベントを、具体的にイメージできるようになる」と言いましたが、赤本を最初に解くのもそれと同じことです。

赤本を解いてみて、思ったより解けたのであれば「このまま勉強を続ければ合格できる」という自信につながりますし、もし解けなかったとしても「死ぬ気で勉強しなければ合格できない」という危機感を持つことができます。いずれにしても、自分が戦うべき相手の姿をはっきりと視界に捉えるために、最初に赤本を解くのです。

★ここで心が折れてしまわないための「強い動機づけ」であることは言うまでもありません。

赤本を解くことで「どんな問題が出題されるか分かる」ということは、裏を返せば、「どんな問題が出題されないのか分かる」ということでもあります

例えば、あなたが志望する学部でリスニング問題が出題されないのであれば、当然リスニング対策の勉強は省いていいということになりますし、漢文の点数が100点中3点程度しか無いのであれば、受験までに残された日数によっては切り捨ててしまってもいいということになります。

受験までたっぷり時間があるのであれば、全ての範囲をまんべんなく勉強するに越したことはありません。しかし、半年という限られた時間の中で合格を目指すのであれば、そんな悠長なことは言っていられません。どの分野に力を入れれば点数につながりやすいのか、逆にどの分野なら手を抜いてもいいのかを見極め、効率的に勉強しましょう。

結局のところ、受験は出題された数十問の中で得点を競うゲームでしかありません。「頑張ったで賞」が無い以上、最小限の努力で最大限の得点を出すに越したことはありません


今回の話は以上です。「受験勉強のいちばん最初に赤本を解く」と聞いて驚いたかもしれませんが、ここまで読んでもらえれば、むしろ最初に赤本を解く方が自然に思えてきたのではないでしょうか。姿かたちも分からない相手に勝負を挑むのは無謀としか言いようがありません。

最後に、本番と同じ制限時間では問題を解き終わらないと思いますが、採点した後は残った問題も解きましょう(公式な点数とは別に参考記録も残しておくといいでしょう)。

また、この時点では意味が分からないかもしれませんが、解説も読んでください。模試にも言えることですが、採点だけして解説を読まないのは非常にもったいないです。間違えたときこそ大きく成長できるチャンスなのです。

これからも脱ニートや短期間・独学の受験勉強について情報を共有していくので、ご興味がある方はフォローをお願いします。また、ご意見・ご質問・ご感想などあればお気軽にコメントやTwitterへご連絡ください。

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