忍殺TRPGリプレイ【アゲインスト・ブラック・シャドウ】03
前回のあらすじ:オヒガンの彼方、異世界の王国ワドルナッケングリアに漂着したハウスバーナー。彼が現世へ帰還するためには、隣国ソマシャッテ共和国を支配下に置いた「魔王」を討伐し、そのアミュレットを奪わねばならない。走れ!戦え!勇者ハウスバーナー!カラダニキヲツケテネ!
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岩山に聳える城を覆う節くれ立った植物は、壁の亀裂や窓から城内へ這い進み、厳粛な聖壁画を背に、古代の玉座に腰を下ろした強大な存在に繋がっている。枝の一筋一筋、葉の一枚一枚が「ソマシャッテの魔王」……すなわち有角のリアルニンジャ、偉大なるクロヤギ・ニンジャの感覚器である。
植物は地衣類と融合し、樹木と結びつき、その狭間より黒いヤギが這い出し、忌まわしい声で歌い踊る。異界のエルフが作り上げた「アミュレット・オブ・ハヤシ」の力は、不安定なクロヤギ・ニンジャの存在を補い、比較的安定させている。彼女は古きエルフの築いた城と国を奪い、穢した。
クロヤギ・ニンジャは、段上を広間と隔てる御簾の奥、玉座に肘を置き、かすかに首を傾けて、なかば閉じかかった瞼の下、横向きの瞳で、彼方の地平を見ていた。彼女は知覚した……。彼女の愛し子レオナールが、敗れた。現世より来訪した手練れのニンジャ、ハウスバーナーによって。
魔王城前
ニンジャ脚力で夜の山道を駆け抜け、魔王城前にたどり着いたハウスバーナー。だがそこは当然、魔王軍の手下に満ちている。城を覆う植物はざわざわと動き、侵入者を察知した!『クセモノダー!』『デアエ!デアエー!』ブオウー!力あるホラガイが鳴らされ、魔王軍の兵士が一斉に突撃する!
◆ジョルリ・オートマトン(種別:超常存在)×6
カラテ 3 体力 3
ニューロン 1 精神力 -
ワザマエ 6 脚力 3
ジツ 0 万札 0
攻撃/射撃/機先/電脳 3/ -/ 1/ -
回避/精密/側転/発動 -/ 6/ -/ -
◇装備や所持品
◆カタナ
◇スキル
●連続攻撃2(ワザマエ、殺伐・痛打なし)
◉ソードダンス:ワザマエHARDで判定
成功すると、隣接する敵全員にダメージ2(貫通1、回避H)
迎撃不可、殺伐は1人のみ
●手練れ&射撃援護:ニンジャでも彼らの攻撃をまとめて回避できない
能力値合計:10
ガシャガシャガシャガシャ……!平安時代様式の甲冑を鳴らしながら押し寄せて来るのは、骸骨の兵士たち。魔王が殺戮したエルフやオーガ、人間の死体が、魔術によってジョルリめいて動かされているのだ。背後には黒山羊の目、エルフたちの目と鏃がきらめく。忍び込むのは不可能。正面突破だ!
戦闘開始
1ターン目
「イイイヤァアアアーーーッ!」SLASHSHSHSH!ハウスバーナーはジョルリたちの中心へ飛び込み、カトン・エンハンスされたダガーを振るう!『『AARGHHH!』』1体破壊!だが数が多い!『『『AAARGHHHH!』』』ジョルリたちはカタナを構えて一斉に回転!ジゴクめいたソードダンスだ!
SLASHSHSHSH!「グワーッ!」ナムサン!ハウスバーナーといえど躱しきれず斬撃を食らう!さらにエルフたちの矢の雨が降り注ぐ!ここが正念場だ!一気に城まで駆け抜けるべし!「うおおおーーッ!」
2-4ターン目
「イイイヤァアアアーーーッ!」SLASHSHSHSH!『『『ARGHHH!』』』SLASHSHSHSH!炎の刃と死の刃が入り乱れて交錯!ハウスバーナーは敵軍の中を飛び跳ねながら死の回転舞踏を躱し、躱し、躱す!スロー!スロー!クイック!クイック!スロー!「イヤーッ!」
ゴウランガ……!ついにハウスバーナーは敵軍の包囲を切り抜け、災禍の中心、魔王城の内部に飛び込んだ!……その時!『マッタ』
???
0101010101……目の前の空間が歪み、銀色の01が舞い飛ぶ。現れたのは銀色の髪、銀色の瞳の女子高生。そのバストは平坦だ。『待った、待った、ハウスバーナー=サン。俺だ。エーリアスだ』彼女?は男の声で告げた。『ウカツにもとの名前を名乗っちまって、この姿で定着して来ちまったぜ』
「ドーモ」ハウスバーナーはアイサツを返す。「久しぶりだな」『ああ。ザザ=サンから事情は聞いた。アンタ一人じゃ、この先の敵は流石に無理だ。協力するぜ』「そりゃありがてえが……他の二人は」「ここよ」01010101……続いて、ポイズンバタフライとヤモトも虚空から01とともに現れる。
「はぐれたと思ったら、なにやってンのよ」「いろいろあってな。とにかくここの魔王とやらを倒さなきゃならねェ」「要はニンジャね」「ただのニンジャじゃないね。アタイの力が必要だ」ヤモトも頷く。全員揃えばナラク・ニンジャをも打倒できる戦力だ。一行は魔王の玉座、聖堂へと駆け出す!
魔王城内・聖堂
超自然のポータルによって駆けつけたニンジャたちは、聖堂へ到達した!「ドーモ、ソマシャッテの魔王=サン。ハウスバーナーです」「ポイズンバタフライです」「ヤモト・コキです」『エーリアスです』堂々とアイサツ!「ふん、懐かしい連中よの」御簾の傍らに侍る小柄な人影が進み出た。
「ドーモ、バンブーカッターです。フジサン麓での恨み、忘れてはおらぬぞえ!」「アンタもこっちに来てたのかよ。今度こそジゴクに送ってやるぜ」ガシャガシャとジョルリ・オートマトンが進み出て一行を取り囲む。御簾の向こうでは、巨大な影が揺らぎ、動いた。『ドーモ、シ・ニンジャ=サン』
シ・ニンジャ。ヤモトに憑依した神代のニンジャだ。それを知るということは、つまり。魔王はアイサツを返した。『……クロヤギ・ニンジャです』
DOOOOOM……! 対峙する両陣営のアトモスフィアが瞬時に張り詰め、遠雷が鳴り響いた。「クロヤギ・ニンジャ=サン。キンカクより彷徨いでた迷い者よ。何を望むか!」ヤモトは、別人のような声音で魔王を叱責した。『我が望みは……キンカク・テンプルへ、神祖のみもとへ戻ることなり』
魔王、クロヤギ・ニンジャはそう告げた。「ならばセプクでもハラキリでもするがよい!カイシャクしてくれよう!現世にそなたがとどまれば、世に災禍を振りまくのみ!」『では、やってみるがよい』魔王はぐぶぐぶとくぐもった笑い声をあげた。『そなたの力でキンカクへの道を再び開かん』
ジョルリはさておき、ニンジャの数なら四対二。しかし相手は油断ならぬ強敵と、神代のリアルニンジャだ! 一撃必殺アトモスフィア!
戦闘開始
【続く】
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