マガジンのカバー画像

夕遊の漫画cafe

24
大好きな漫画その他をここにまとめておきます。本当は、ここに書ききれないくらい好きな作品がたくさんあるのですが...
運営しているクリエイター

#おすすめ本

美しくて、少し悲しい人と小鳥の物語。『ことり』小川洋子

人の言葉は話せないけど、鳥のさえずりが理解できる兄。小鳥が大好きな兄。そして、兄の言葉をわかるのは父でも母でもなく、唯一弟だけ。両親がなくなると、弟は社会生活ができない兄を世話するため、大きな会社のゲストハウスで働くようになります。庭の手入れや接待の準備が彼の仕事。そして、兄弟は、日課のように近所の幼稚園の鳥小屋を見に行き、一年に一度くらい旅行します。 全くの余談ですが、大昔の少女漫画に『白夜のナイチンゲール』という印象深い作品があって、ふとそれを思い出しました。友人に裏切

印刷会社のお仕事マンガ。『刷ったもんだ』染谷みのる

『刷ったもんだ』は、とある印刷会社に就職した元ヤンお姉さんの熱いお仕事コメディです。本好きにとって、印刷屋さんはすごく興味深いところだし、文章を書く人間にとっても、印刷屋さんは足向けて寝れない業界ですが、実は知らないことだらけ。このマンガは、それをコメディタッチで教えてくれます。 印刷会社もいろいろ。『舟を編む』に出てくるのは大手出版社の編集さん(文字中心)+紙質に対応してる工場の人ちょこっと。『校閲ガール』だって、出版社の中で基本文字対応のドラマでした。だから、原稿をしあ

リアルと漫画はどこが違う?『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』中川裕

楽しみに待っていた1冊。わくわくしながら読みました。アイヌ研究の中川先生の文章は、『ゴールデンカムイ』を読み始めたあたりから、結構読んでいましたが、まとめて読めるとは本当に最高です。いろんなところで講演会とかあっても、遠いところはなかなか行けないので。 実際に『ゴールデンカムイ』の漫画に出てくる明治時代のアイヌ文化の概略とか、当時の明治の北海道のようすなんかも詳しくわかるので、とても楽しい内容になっています。 『ゴールデンカムイ』の野田先生はとてもよくアイヌ文化や、明治時