マガジンのカバー画像

夕遊の本棚

380
ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
運営しているクリエイター

#日本

古代の中国語や日本語なんかとくらべてみる。『中国語とはどのような言語か』橋本陽介

誰でも知っている中国語、你好(ニーハオ)。你(ニー)は「あなた」という意味ですが、古代の…

夕遊
1年前
47

旧日本軍から公安警察、内閣調査室、NSC(国家安全保障会議)まで『日本インテリジェ…

帯のキャッチコピーは「「国家の知性」の暗闇でたどる戦後75年の秘史」。インテリジェンスと…

夕遊
1年前
25

わたしたちの知らない上流階級のお話。『華族たちの近代』浅見雅男

『華族誕生』につづく、浅見先生の本。こちらは一般読者にわかりやすいよう配慮し、1章ごとに…

夕遊
1年前
17

鶴見俊輔に戦後世代が聞く。『戦争の遺したもの』鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二

『民主と愛国』で戦後の思想史を俯瞰するような大著を書いた小熊先生が、上野先生と一緒に鶴見…

夕遊
1年前
16

リアルな海賊たちのお話。『南海の軍閥 甘志遠 日中戦争下の香港・マカオ』蒲豊彦

日本占領下の香港で「南海一の海賊の親分」の異名をとった甘志遠。彼が戦後、書き残した『自伝…

夕遊
1年前
20

うちの殿さまは何をした?『江戸三〇〇藩 最後の藩主』八幡和郎

幕末、「天皇か、将軍か」という究極の二者択一を突きつけられ、お国のために東へ西へと駆けず…

夕遊
1年前
14

文化工作だった映画や小説やまんがやアニメ。『大東亜共栄圏のクールジャパン』大塚英志

第二次世界大戦のときに、映画や小説が「文化工作」――作品としての価値よりも、「宣伝」としての役割を重視され、作家や監督たちもそんな時流にのって作品をつくったということは、これまでも散々言われてきたし、専門書もたくさん出ています。 でも、マンガやアニメといったサブカルチャーまで含めて、しかもプロの作家だけではなくて、たくさんのアマチュアも参加して、東南アジアや朝鮮半島、「満州」、中国向けにメディアミックスが展開されたという話を、たくさんの資料を使ってまとめたのがこの本。 ア

リアルと漫画はどこが違う?『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』中川裕

楽しみに待っていた1冊。わくわくしながら読みました。アイヌ研究の中川先生の文章は、『ゴー…

夕遊
1年前
31

日本人はずっとアメリカが好き。『戦前昭和の社会 1926-1945』井上寿一

大正デモクラシーが終わった後の暗い時代。それが、戦前の昭和に対する私たちのイメージです。…

夕遊
1年前
17

戦前に伝説だった人。『頭山満 アジア主義の実像』嵯峨隆

頭山満(1855-1944)は、明治から大正、昭和にかけて活動したアジア主義者。もう、ほとんど忘…

夕遊
2年前
17

たどってみたい場所。『台湾 近い昔の旅』又吉盛清

リトル東京のような台湾の首都、タイペイ(台北)。日本人にもおなじみの店の看板が多くて、整…

夕遊
2年前
14

名誉と体面の明治。『華族誕生』浅見雅男

最初の出版は、1994年。私が読んだのは、その文庫版です。 明治政府というと、江戸時…

夕遊
2年前
12

知っているようで知らないクリスマス。『サンタクロースの大旅行』葛野浩昭

サンタクロースは、今から1700年も前にトルコあたりに住んでいた、キリスト教徒のお坊さん…

夕遊
3年前
14

こんな旅行をしてみたい。『英国一家、日本を食べる』マイケル・ブース

 フードジャーナリストでトラベルジャーナリストという、ものすごくうらやましい職業のマイケルが、家族で日本を訪れ、東京、北海道、京都、大阪、博多、沖縄と食べ歩いた珍道中のルポ。  焼き鳥にラーメンに、湯豆腐に、会席料理に、お好み焼きに串かつ、沖縄料理。そして、日本の二大料理専門学校に昆布に日本酒。流しそうめん、などなど。  マイケルは食べ物の歴史に詳しくて、フランスで料理の修業をした経験もあるくらいだから、インタビュー記事なんかとても詳しい。だから、彼だけだと普通のミシュラ