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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#日本

古代の中国語や日本語なんかとくらべてみる。『中国語とはどのような言語か』橋本陽介

誰でも知っている中国語、你好(ニーハオ)。你(ニー)は「あなた」という意味ですが、古代の…

夕遊
1年前
47

旧日本軍から公安警察、内閣調査室、NSC(国家安全保障会議)まで『日本インテリジェ…

帯のキャッチコピーは「「国家の知性」の暗闇でたどる戦後75年の秘史」。インテリジェンスと…

夕遊
1年前
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リアルな海賊たちのお話。『南海の軍閥 甘志遠 日中戦争下の香港・マカオ』蒲豊彦

日本占領下の香港で「南海一の海賊の親分」の異名をとった甘志遠。彼が戦後、書き残した『自伝…

夕遊
2年前
20

文化工作だった映画や小説やまんがやアニメ。『大東亜共栄圏のクールジャパン』大塚英…

第二次世界大戦のときに、映画や小説が「文化工作」――作品としての価値よりも、「宣伝」とし…

夕遊
2年前
23

リアルと漫画はどこが違う?『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』中川裕

楽しみに待っていた1冊。わくわくしながら読みました。アイヌ研究の中川先生の文章は、『ゴー…

夕遊
2年前
32

日本人はずっとアメリカが好き。『戦前昭和の社会 1926-1945』井上寿一

大正デモクラシーが終わった後の暗い時代。それが、戦前の昭和に対する私たちのイメージです。…

夕遊
2年前
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戦前に伝説だった人。『頭山満 アジア主義の実像』嵯峨隆

頭山満(1855-1944)は、明治から大正、昭和にかけて活動したアジア主義者。もう、ほとんど忘れられているといっていいような気がしますが、ブレイディみかこさんの同郷とか、伊藤野枝の小説『風よあらしよ』の紹介でも出てきたので、どんな人か読んでみました。 天皇主義者で、アジアと連帯して、欧米に対抗しようという思想の持ち主だった頭山。彼は、亡命してきたインド人のボースや中国人の孫文、朝鮮人の金玉均なども支援しました。でも、政治家でもなければ、軍人でもありません。 頭山は、福岡

たどってみたい場所。『台湾 近い昔の旅』又吉盛清

リトル東京のような台湾の首都、タイペイ(台北)。日本人にもおなじみの店の看板が多くて、整…

夕遊
2年前
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名誉と体面の明治。『華族誕生』浅見雅男

最初の出版は、1994年。私が読んだのは、その文庫版です。 明治政府というと、江戸時…

夕遊
2年前
13

知っているようで知らないクリスマス。『サンタクロースの大旅行』葛野浩昭

サンタクロースは、今から1700年も前にトルコあたりに住んでいた、キリスト教徒のお坊さん…

夕遊
3年前
15

こんな旅行をしてみたい。『英国一家、日本を食べる』マイケル・ブース

 フードジャーナリストでトラベルジャーナリストという、ものすごくうらやましい職業のマイケ…

夕遊
3年前
17

人生、やり切った感ありすぎ。『まるごとインドな男と結婚したら』鈴木成子

タイトルからすると、今風の若くて強い女性が、インド人の彼と結婚してドタバタ、でもほんわか…

夕遊
4年前
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理想はいつだって煌めいて、敗北はどこか懐かしい。『100才の台湾人革命家、史明自伝…

クーリエ・ジャポンの一部公開の記事を見て、即購入しました。ものすごくおもしろい、波乱万丈…

夕遊
4年前
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妄想が日本を動かす。『偽史冒険世界 カルト本の百年』長山靖生

あきれたことに、近代日本は妄想の固まりだったのだ。 著者の長山さんは歯科医。趣味の延長で、SF作家クラブの会員や明治社会史研究会の仲間、「幻想文学」関係者、『別冊宝島』執筆者、「と学会」のメンバーたちと、ありそうでなさそうなデマを回し、言葉の上だけの、架空の秘密結社をやっていたそうです。 ちなみに「と学会」というのは、「世間のトンデモ本やトンデモ物件を品評することを目的」とする日本の任意団体とのこと。 でも、そんな子供じみた面白い活動は、オウム真理教の事件でふっとんで